語源の広場

『英語耳』松澤喜好、『日本語と英語をつなぐ』すずきひろし、『Gogengo!』角掛拓未が送る、英語の語源をさまざまな切り口でお伝えするコンテンツです。

黄金の語根

89 dom 「主人、家、領地」 (L.dominari)

(39語) ラテン語 L.dominor/dominari「支配する、管理する、飼い慣らす」が語源です。名詞L.dominusは「主人、支配、領土」。domには「主人、(地方の)支配者、家、領土」のイメージがあります。 支配する意味では、dominate、家庭の意味では、domestic、領…

90 duo-, dup「2、2倍 two」L.duo, L.L.duplu

(18語) ラテン語の2はL.duoです。二重奏のデュオ duoの語源はつづりも同じ L.duo で、数字の「2」です。ラテン語の2に関しては、【名】、【形】、【動】は以下の様です。その派生語を取り上げました。 L.duo =two 2 L.duplus =double 二倍の、二重の L.du…

91 duct 「導く」 (L.ducere)

(64語) ラテン語 L.ducere「導く」が語源です。 ダクトをイメージすると、この語根に親しみがわくと思います。オフィスなどのエアコン用のダクトは空気を導くための物です。 「教育」 educationは e(中から外へ)+duc(導く)、つまり中にある才能を引き出す…

92 ego「私は」L.ego

(11語) エゴの強い人のegoはラテン語も綴りが同じL.ego「私」です。英語の「I」と同じ重要な一人称単数形の【代名詞】です。「私」、「あなた」のラテン語は複雑です。以下のラテン語、日本語、英語、イタリア語で見てください。 一人称は 単数形がL.ego「私…

93 electri「電気」Gk.electron(こはく琥珀)

(16語) electric「電気の」の語源は Gk.electron/ L.electrum (=amber 琥珀こはく)です。古代ローマ時代は琥珀をこすると静電気が起きて髪の毛などが付くことが知られていた。電気の知識などなかった時代。1670年代頃に「こすって帯電していること」をcharg…

94 example 「取り出す」L.emo/emere

(22語) example「例、見本」の語源は L.eximere「取り出す」, ex-外へ+emere取り出すです。外に取り出して(見せた物)が「見本」なわけです。このページは語源のL.emo/emere「取り出す」を扱います。 Redemption「キリストによる贖罪、買い戻し」という難解…

95 equal 「等しい」 (L.aequare)

(41語) ラテン語 L.aequare「等しくする、平らにする」、L.aequalis「平らな、同等の」が語源です。英語ではaが落ちてequalとなります。 出現頻度: 高い 日本の高校二、三年生が学ぶ英単語が多いです。 単語 接頭辞 意味 語源解説 equal 等しい、相等しい eq…

96 ess, futur, est, sent 「ある、居る」 (L.esse, futurus)

ess, futur, est, sent (42語) ラテン語 L.esse「ある、居る」が語源です。L.esseの動詞は英語のbe動詞に相当していて、英語同様にその変化形は驚くほど変化します。sum(1人称単数), esse(原形), fui(完了), futurus(完了分詞) 「本質的な」 (essen…

97 fab, fam, fat 「話す、ものがたり」 (L.for/fari)

fab, fam, fat (37語) 語源は、ラテン語 L.fabulor「おしゃべりする」(1人称単数)、L.fabula「談話、お話」、L.for/fari「話す」、L.fama「うわさ、言い伝え」などです。「物語、話す」に関連します。 出現頻度: とても高い 日本の中学生や高校一、二年生が…

98 fall-, fail-, fault 「失敗する、だます」L.fallere

(16語) ラテン語L.fallo/fallere「誤る、だます」、L.falsus【形】間違った、偽りの。L.falso【副】誤ってが語源の単語です。 fault「誤り、欠点、(テニス)フォールト」は、ラテン語 L.fallereが現代の仏語では F.faute「間違い」です。F.fauteでは[L]が有…

99 defend「守る」L.defendere (L.fendere「打つ」)

(25語) defend「守る」とoffend「攻撃する」の語源は、L.fendereです・・・と言いたいところですが、L.fendereというラテン語動詞は辞書には有りません。ラテン語のL.defendere「守る」、L.offendere「打つ、攻撃する」の共通な語根としてはL.fendere「打つ…

100 fer 「運ぶ」(L.fero/ ferre)

fer (63語) ラテン語 L.ferre「運ぶ」が語源です。2500年前にはすでに接頭辞をつけて多くの単語が出来ていました。英語でも、ほぼ同じ意味で使われています。下のリストをご覧ください。 以下のリストは一人称単数形です。(L.feroが一人称単数形で、表題のL…

101 -fess, confess「認める、自白する」L.fateor/ fateri L.confessus

(13語) confess「自白する」、professor「教授」に共通する -fessの部分の語源はラテン語のL.fateor/ fateri「自白する、認める」です。綴りがずいぶん離れていますね。 出現頻度: 高い 日本の中学生が学ぶ英単語が多いです。 単語 接頭辞 意味 語源解説 pro…

102 fide, fai, fy 「信用する」 (L.fidere)

fide, fai, fy, (30語) ラテン語 L.fidere「信用する」、L.fides(名)「信頼」、L.fidelis(形)「信用できる」が語源です。 信頼 confidenceは con(まったく)+fidence(信頼)と分解されます。単なる信頼以上の強い信頼です。 オーディオのハイファイはhi-f…

103 fix「固定する」L.fixus (L.figereの【過去分詞形】

(16語) fix「固定する」は1音節単語で、語源は古英語(OE)と思われるかもしれませんが、ラテン語L.fixus「固定された」が語源です。L.fixusの原形はL.figereです。 出現頻度: 中くらい 日本の高校生が学ぶ英単語が多いです。 単語 接頭辞 意味 語源解説 fix…

104 file「糸」L.filum

(9語) ラテン語L.fibra「繊維、フィラメント」、L.filum「(ウールなどの)糸」が語源の単語です。 ファイル fileの語源が「糸」なのは、古代ローマでは書類を糸で綴(と)じるイメージだからです。 プロファイル profileは後期ラテン語LLfilare「紡ぐ」から…

105 fin 「境界、終わる」 (L.finire)

fin (37単語) ラテン語 L.finire「境界を定める、終わる」が語源です。 final「最後の」の語源はラテン語形容詞のL.finalis(形)「境界の、最後の」です。境界を定めることと終えることはほぼ同じイメージだったのです。ですので、finを語源に持つ単語は「境…

106 figure, fiction「形を作る」L.fingere

(19語) フィギュアスケート、アニメなどの人形のフィギュアのfigureはL.figurare「形を作る」が語源です。「形を作る」はラテン語ではL.fingereのほうが、より広く使われています。変化形は以下の様です。下の単語を見る時の参考にしてください。 L.fingere…

107 firm「強固にする」L.firmare

(16語) firm「しっかりした、堅固な」はラテン語L.firmare【動】「強固にする」が語源です。ラテン語【形】はL.firmus「=firm, strong」です。ラテン語の合成語がそのまま英語に使われているので3つの動詞を紹介します。 ◇L.affirmare af=ad(=to) 確固たる…

108 flate「(息を)吹く flow」L.flo/flare

(11語) inflationインフレーション(インフレ)はラテン語L.L.inflo/inflare 「ふくらませる」が語源です。接頭辞 in- (中に)を外した L.flo/flareは「息を吹く」です。中に息を吹き込んでふくらませるというイメージです。以下は接頭辞ごとのラテン語の意…

109 flame, fragra-「燃える、炎」L.flagrare

(19語) 英語のfireはラテン語ではL.flamma【名】「火、炎」です。 動詞はL.flagro/flagrare【動】「燃える」です。動詞の活用形は、L..flagro/ flagrare/ flagravi/ flagratum 英語にはflam, flagrの綴りで入っていることを以下の単語で確認して下さい。 出…

110 flex「曲げる」L.flectere

(19語) flexible「フレキシブル、曲げやすい」はラテン語L.flectere「曲げる」が語源です。動詞の活用は、 flectio/ flextere/ flexi/ flexum。英語にも flect-, flexの綴りで入っています。ラテン語の合成語からほぼそのまま英語に入っています: L.deflect…

111 -flict「打つ、(意見など)衝突する」L.fligere

(9語) conflict「戦う、衝突する」はラテン語L.confligere「衝突させる、論争する」が語源です。その語根は L.fligere【動】「打ち付ける」 L.flictus 【名】衝突。 動詞の活用形は、fligo/ fligere/ flixi/ flictum 、flictは【過去分詞形】L.flictumから来…

112 flower「花」L.flos

(24語) flower「花」に関する語源です。flowerには、ラテン語のL.flos/florem「花」 -> 古仏語 flor -> 仏語.fleur「花」 -> flower という歴史が有ります。 「花が咲く」は【動】L.florere「花が咲く」、L.florescere「開花する」があります。 ラテン語の形…

113 flu 「流れる」 (L.fluere)

flu (33語) ラテン語 L.fluere「流れる」が語源です。川が流れる様子をイメージしてください。 ラテン語ではL.fluere(流れる)は良くつかわれる動詞であることが下のラテン語の派生語のリストでうかがえます。英語にはflow(流れる)があるため、また仏語に…

114 federa「調印する、同盟する」L.foederare

(8語) federal「連邦の、同名の」はラテン語L.foedero/foederare「調印する、信頼する」が語源です。【動】の活用形は L.foedero/foederare/ foederavi/ foederatum 出現頻度: 高い 日本の中学生が学ぶ英単語が多いです。 単語 接頭辞 意味 語源解説 federal…

115 foil, folio「葉」L.folia

(12語) 英語の「葉っぱ」は leafです。複数形はleavesですね。ラテン語ではL.folium/ folia【名】です。アルミフォイルのfoil「薄片」の語源もL.foliaです。 出現頻度: 中くらい 日本の高校生が学ぶ英単語が多いです。 単語 接頭辞 意味 語源解説 foil 片、(…

116 form 「形づくる」(L.formare)

(46語) formはラテン語L.formare(形作る)が語源です。粘土を手でこねて形を作る、粘土を型にはめて作るというイメージです。 ユニフォームuniformはuni(一つの型)でform(形作る)と分解できます。洋服ならば、一つの型で作れば、ぜんぶが同じ形になりま…

117 fort 「強い」(L.fortis)

fort (27語) ラテン語L.fortis 「強い、勇敢な」 が語源です。L.fortis (力)はフランス語を経て forceの綴りになりました。effort (努力)は、力(fort)を外に(ef)示す意味から努力するイメージになっています。comfortable (心地よい)は L.con (すっかり)+for…

119 fract 「粉砕する、割る」 (L.frangere)

fract (23語) ラテン語L.frangere 「粉砕する、割る」 が語源です。出現頻度が高いメジャーな単語はないのですが、落とすと割れるイメージがつかみやすい語根です。 FRAGILE (割れ物注意!)は梱包でよく見かけている単語です。「骨折」 fracture は良くつ…