語源の広場

『英語耳』松澤喜好、『日本語と英語をつなぐ』すずきひろし、『Gogengo!』角掛拓未が送る、英語の語源をさまざまな切り口でお伝えするコンテンツです。

99 defend「守る」L.defendere (L.fendere「打つ」)

(25語) defend「守る」とoffend「攻撃する」の語源は、L.fendereです・・・と言いたいところですが、L.fendereというラテン語動詞は辞書には有りません。ラテン語のL.defendere「守る」、L.offendere「打つ、攻撃する」の共通な語根としてはL.fendere「打つ」という概念が存在します。

出現頻度: 高い

日本の中学生が学ぶ英単語が多いです。

単語 接頭辞 意味 語源解説
 defend    守る ◇L.defendere de(=down、off、away)+L.fendere = 打ち倒す → 打ち退ける L.fendo/ fendereの単語はラテン語辞書には有りません。合成語にL.fendere「打つ」意味で使われています。  L.fendere「打つ」はイメージで出来ています。
 defense/ defence(英)    防御、防備、守り  



出現頻度: 中くらい

日本の高校生が学ぶ英単語が多いです。

単語 接頭辞 意味 語源解説
 defensive    守備の、ディフェンスの ◇L.defendere de(=down、off、away)+L.fendere = 打ち倒す → 打ち退ける  
 defendant    被告(抗弁する人) 、被告人側の ◇反対語 plaintiff(=原告)  
 defender    守備する人、防御者、ディフェンダー  
 fence    垣根、柵 、フェンス◇defenceのdeが落ちた  
 manifest    【動】明らかに示す、表す、証明する◇L.manifestus (caught in the act) mani(=hand) = 手で打つ  
 manifesto    マニフェスト、政策綱領、声明書 ◇L.manifestus  
 offend    怒らせる、感情を害する、罪を犯す ◇L.offendere of=ob(=against) = strike against 逆らって打つ  
 offense/ offence    違反、非行、罪を犯すこと、不快、立腹  
 offender    違反者、犯罪者、(やっかいな事の)原因  
 offensive    不快な、いやな、攻撃(的)の、◇L.offendere of=ob(=against) = strike against 逆らって打つ。 反対語 defensive  



出現頻度: やや低い

日本の学生が大学受験を目指す頃に学ぶ英単語です。

単語 接頭辞 意味 語源解説
 fencing    フェンシング、巧みな議論  
 fend    防ぐ、護る ◇defend(守備のために相手を打ち倒す)の短縮形  
 fender    (車の)フェンダー ◇(defendするものの意) cf bumper  
 infest  in=against  (病気、害虫が)はびこる、しつこく悩ます◇L.infestare in(=against) = 相手を打つ → manifest  
 offending    不快な、気にさわる  



出現頻度: とても低い

英米の高校生レベルの語彙です。このレベルになると語彙は 15,000 語を超えます。見慣れない複雑な英単語が増えますが、よく見てみると、意外と語源のイメージを応用できます。

単語 接頭辞 意味 語源解説
 defenseless/ defenceless    無防備の  
 fenceless    囲いのない、(古)無防備の  
 infestation    (ねずみ、ウィルスなど)蔓延、横行、侵入  
 manifestly    はっきり、明確に  
 manifestation    表面、政見発表  
 offensively  of 対して  不快に、攻撃的に  
 offenseless  of 対して  罪のない、悪気の無い、攻撃的でない