語源の広場

『英語耳』松澤喜好、『日本語と英語をつなぐ』すずきひろし、『Gogengo!』角掛拓未が送る、英語の語源をさまざまな切り口でお伝えするコンテンツです。

語源の窓

語源の窓 第1話

albatrossは目からウロコ! 「語源の窓」にようこそ。「語源の窓」からは「語源の広場」がよく見えます。ローマの素敵なカフェで、豊かなコーフィータイムを過ごしている自分をご想像してください。思案にふけりながら、ときどき外を見て通りがかる人々のフ…

語源の窓 第2話

400個の語源(黄金の語根)からなんと10,000個の英単語 アルファベットを使う国の人々は漢字がとても複雑に思えます。そんな英米人にも漢字の構造を説明するとものすごく興味を示します。もしも、外国人との英会話で話題が無くなったら、ペンと紙(Appleでは…

語源の窓 第3話

「語源辞典」誕生物語 SPACE ALCに15年間提供していた「語源辞典」は以下のようにして誕生しました。僕と語源とのお付き合いの歴史でもあります。 僕は英単語を覚えるためには単語帳は作っていませんでした。大学受験以来、語源が出ている英和辞書をこまめに…

語源の窓 第4話

2,500年前をイメージする ラテン語を語源とする英単語は2500年前のローマ時代とほぼ同じ意味で現在も変わらずに使われています。ただし電気もガスもなかった2500年も前の時代と現在との生活習慣の違いのために連想が難しくなっているものもあります。 ぼくは…

語源の窓 第5話

続2,500年前をイメージする 2500年前のお話を続けましょう。 dictionary(辞書)の元になったラテン語はdicere(言う、話す)でした。「書く」ことから来ているとイメージすると思いますが、書いた単語を集めたのではなかったのです。言い回しを集めたもので…

語源の窓 第6話

接頭辞も2500年前にあった 今回は英語で重要な「接頭辞」を11個選びました。英語の接頭辞+語根という構造は2500年前のラテン語ですでに完成していました。このこと自体が驚きですが、2500年前の「接頭辞」が現在も英語に同じ意味で使われていることが更なる…

語源の窓 第7話

語源でつながる英仏単語 第二外国語に仏、西、伊語を学習している人に朗報です。英語と日本語の違いと比較すると英語と仏・西・伊語は大阪弁と東京弁くらいに近い関係です。英米人は日本人が英語を学ぶための労力の10分の1以下で仏語や西、伊語をマスターし…

語源の窓 第8話

同じ語源でもスペルが違うのはなぜ agentとactionagent(エージェント)とact(行為)はともにラテン語agere(為す)が語源ですが、全てがage-のスペルではなくactのように「t」を持つものがあります。 procedureとexceed exceed, excessはラテン語cedere(行…

語源の窓 第9話

語源の説明がある辞書 語源が出ている辞書はどれがいいの?とよく聞かれます。今回は前回出題した英単語を使って、辞書にはどのように語源の説明があるのか見てゆきます。 「construct(建設する)」「destroy(破壊する)」「instruct(指導する)」は、ラテ…

語源の窓 第10話

語源で知る類語のニュアンスの違い 前回出題した「advice(忠告する)」「evidence(証拠)」「video(ビデオ)」は、ラテン語videre「見る」の派生語です。 adviseはad-(の方を)+videre(見る)です。adviseの-viseはただ見るのではなく、注意深く何度も見…

語源の窓 第11話

語源による単語のイメージの作り方 「語源で英単語のイメージをつかむには初心者には慣れ・訓練が必要なようですが、何かコツがあるのですか?」という質問がよくあります。以下の3単語でイメージをつかむ練習をしましょう。 divert(向きを変える、気晴らし…

語源の窓 第12話

語源による単語のイメージの作り方(続き) アルクの「英語と仲直りできる本」(*注)の中に、「単語によって、range of meaning (意味の範囲)がいろいろある」とあります。日英の単語はこの意味の範囲が一致しないために、英語学習者は大変苦労します。 …

語源の窓 第13話

プロポーズproposeは彼女の前に愛を置くこと 前の第12話で宿題にした3つの単語compose(構成する、作曲する)deposit(貯金)propose(求婚する、提案する)に共通するイメージは「置く」というラテン語ponereです。『黄金の語根』の第9位の語源です。 プロ…

語源の窓 第14話

SVL12000への語源活用法 英語を自在にあやつるという夢を実現するために必要な語彙は、私は先輩から2万語位は必要と言われました。どの2万語なのだろうと自分なりに考えてきましたが、学研のニュー・ヴィクトリー・アンカー英和辞典の見出し語の約25,500語が…

語源の窓 第15話

接頭辞と語根の巨大なマトリクス表 以前には、スペースアルクに「語源辞典」を提供していました。「語源辞典」は600の語源から派生した約10,000語を登録していました。これらの単語の多くには接頭辞が付いているので、接頭辞と語根を組み合わせたの組み合わ…

語源の窓 第16話

番外編:日本語とラテン語は同じ仲間? 世界の言語を語順に関して大別すると、以下の2種類があります。(1) 語順を自由に変えられる言語。(2) 原則的に語順が決まっている言語 ラテン語も日本語も(1)の語順が自由な言語の仲間です。英語は(2)の、語順が変わ…

語源の窓 第17話

語源の落とし穴? アメリカの学生は英語の語彙を増やすために語源の知識を活用しています。インテリの多い高校や大学ではラテン語を教えています。語彙を増やすためのアメリカの実用書には必ずといっていいほど語源の活用が出てきます。 私の手元にちょっと…

語源の窓 第18話

PersonとPeople 昔、「人の数」を言うのに、one person, two persons, three personsと言ったら、ネイティブ・スピーカーに「違う、one person, two people, three peopleだ」と直されたことがあります。単数と複数の関係がずっと気になっていたので調べてみ…

語源の窓 第19話

ギリシャ語が語源の単語 ずいぶん昔のことでしたが、2004年はアテネオリンピックの年でした。TVの放送で、多くの方がギリシャ語のアルファベットを目にしたことと思います。 最近の数年ではギリシャの経済危機のニュースでギリシャ語を目にしました。 実は英…

語源の窓 第20話

古代ローマと大統領選 2016年は4年ごとの米国大統領選挙の年でしたね。意外な大統領が選ばれたので、2017年は変化の多い年になります。米国の選挙は538の票が州ごとに配分されて大統領を決める複雑なもののようです。 米国が古代ローマの投票制度を真似した…

語源の窓 第21話

熟語(やさしい単語)と語源(接頭辞+語根) 英単語には大別して2種類あります。1つは古英語に由来する基礎的な単語で、日常会話でよく使われます。もう1つはラテン語を由来とする単語で、主に書き言葉に使われます。これは、同じ意味の単語が複数存在す…

語源の窓 第22話

辞書のたくさんの意味の見分け方 前回で、respectはlook back(振り返る)と同じ意味のラテン語respicereが語源と説明したところ、「respect(尊敬する)とは関連がなさそう、どうして?」という質問がありましたので詳しく見てみましょう。 英英辞典、Merri…

語源の窓 第23話

カレンダーの英語は2か月ずれてる? もう2017年!今回はカレンダーに関連したお話です。 ラテン語で8番目という意味のOctoberが、なんで英語で「10月」を示すのだろうと不思議だったので調べてみました。 OctopusはOcto(8の) + pous(足)と分解できます。8本…

語源の窓 第24話

語源は役に立つのですか? このコラムもいよいよ今回で最終回です。いままで寄せられた質問のうち、もっとも多かった質問が「語源の知識は役に立つのか?」です。 語源を活用することは日本語を介さずに理解するためのイメージつくりに役立つ強力なツールに…