語源は役に立つのですか?
このコラムもいよいよ今回で最終回です。いままで寄せられた質問のうち、もっとも多かった質問が「語源の知識は役に立つのか?」です。
語源を活用することは日本語を介さずに理解するためのイメージつくりに役立つ強力なツールになります。
英語の語彙習得に関しては、なんとなく解るレベルと、使いこなせるレべルの2段階あると思います。つまり
①機械的に記憶している。読むときに、なんとなくわかる。
②話すときや書くときに的確に使える。また日本語を介さずにその英単語の意味をイメージできる。
たとえば、Good morningは②のレベルで使いこなせる語彙です。日本語を介さずに理解できて、使用する場面も間違えることはありません。
漢字を学習するときや、書くときには「へん、つくり、かんむり」の知識が助けになっていますね。同様に語源(ラテン語や仏語)の知識が単語のイメージをつくるための助けになります。
漢字の「へん、つくり、かんむり」が自然界や体の部分で漢字を分類しています。英単語の場合、語源はおもに動作を中心にしていることを知っていると、よりイメージがわきやすくなると思います。
おもな語源(語根)を10個程度知っているだけでも、その派生語をネイティヴと同じ感覚で使えるようになります。(『黄金の語根』)語源から英単語が本来持っている意味をイメージできるからです。すると、日本語を介さなくても理解できるようになります。まず語源に慣れてください。
TOP30個の語根(『単語耳Lv.3』など)に慣れて、11個の接頭辞に慣れてくると、②の話すときや書くときに的確に使えるようになります。
日本語と英語の単語はその守備する範囲が異なるために一対一に訳が対応しません。このために英和辞典にはひとつの英単語に日本語訳がたくさん書かれています。英単語の語源のイメージを知ると、たくさんある日本語訳も本来は一つのイメージ(主に動作)に統合整理することが出来るのです。
コラムの最後なので私の語学に対する夢を2つ紹介させてください。
①「ほとんどの日本人が大学を卒業するまでに英語を使いこなせる。」そして、大学を卒業するまでには実用英語が身につくことが日本人みんなの間で常識になっていること。たぶん、ソフトウェアが自動翻訳してくれる時代になると思いますが、自力でできたほうが良いと思います。
②「漢字圏の国々の間で、ウエッブ・サイトに使われる漢字がかなり共通になっている。」中国、台湾、日本、(韓国)などですね。
例えばNETのサイトでよく使うopen, close, enter, exitなどに相当する漢字を100個共通化できるだけで、お互いにサイトを閲覧できるようになります。
漢字100個をもとに熟語を1,000個ぐらいは作ることが可能だと思います。
2050年頃にはなんとかなっていることを夢見ながら、これから英語・中国語・その他の外国語を学ぶ後輩に夢をつなげたいと思います。
追伸、宣伝で恐れ入りますが、語源からの語彙を増やす方法は『単語耳Lv.3』と『単語耳Lv.4』にたくさん書きましたのでご覧ください。
松澤記