語源で知る類語のニュアンスの違い
前回出題した「advice(忠告する)」「evidence(証拠)」「video(ビデオ)」は、ラテン語videre「見る」の派生語です。
adviseはad-(の方を)+videre(見る)です。adviseの-viseはただ見るのではなく、注意深く何度も見るイメージがあります。見て気づいたことに対して「違う違う」「こうしたほうがいいよ」と言ってあげることです。見ることから直接相手に会って忠告するイメージがあります。
evidenceはe-(外に)+videre(見える)、表面に見えて明らかな様子です。videoは動詞で、ラテン語のvidere(見る)の一人称単数形で「私は見る」という意味です。
proof(証拠)はevidenceと類語です。proofはラテン語probare(検査して良品であることを保障する)から来ています。evidenceは表に見えている段階です。いくつかのevidenceを精査して間違いの無いものにしたのがproofです。以上のように類語のイメージの違いを知るために語源が役に立ちます。
adviseと類語のcaution(忠告・警告する)との違いは語源を知るとイメージできます。cautionはラテン語cavere(用心する)の過去分詞cautumから来ています。事故がおきないように安全を確保するための警告というイメージです。
英単語を身につけるためには、ある単語が使われている例文に沢山触れる必要があります。(1単語10回程度のめぐり合いで身につくと言われています。私の感覚も10回程度だと思います。)10回めぐりあう前に、1-2回目で語源を知り単語の因数分解をしておくと、次の8-9回の出会いがより親密になります。
同じ単語に出会う回数が増えてくると、前後の単語との結びつきや、なぜその単語が使われるのかが感じられるようになってきます。従来の英語→日本語訳ではなかなか身につかなかった英単語が記憶に残るようになり、同時に英米人と同じイメージで単語を把握することができるので一石二鳥ですよ。
松澤