語源の広場

『英語耳』松澤喜好、『日本語と英語をつなぐ』すずきひろし、『Gogengo!』角掛拓未が送る、英語の語源をさまざまな切り口でお伝えするコンテンツです。

cite の検索結果:

『黄金の語根』とは

10個の語根 「黄金の語根」は派生語が多い語根のTOP10についてのコラムで始まります。つまり、一つの語源(語根、ラテン語)から沢山の英単語が派生しているラテン語のうちでランキングのTOP10になるものです。 語根とは英単語の3つの部分の接頭辞+語根+接尾辞のうちの真ん中に位置する重要な部分です。例えば、constantly(常に)はcon+stant+lyに分解できます。conが接頭辞、stantが語根、lyが接尾辞です。conは状態「しっかりと」を表す接頭辞、stantは…

『黄金の語根』第1位 sta, sist「立つ、立てる」(L.stare, sistere)

派生語が多い語根の1位です。 (155語)語源 sta、sist はラテン語の stare に由来します。stare は英語だと to stand と表現します。つまり stare は日本語では「立つ」を意味します。人が地面に立っている様子や、建物が地面に立っている様子を頭に浮かべてみましょう。ただなんとなくその場に立っているわけではなく、地に足をつけて立っているイメージです。 「立つ」という動詞から派生した英語は、『黄金の語根』の第1位です。150語を超える単語が関連する単…

『黄金の語根』第2位 fac, fact「する、作る」(L.facere)

(125語) ラテン語 facere に由来します。facere は to make, to do, face を意味します。 それぞれの意味や連想を次に解説します。to make は「つくる」を意味します。物理的に何かをつくることも表現できますし、結果や影響といった抽象的な概念をつくることも表現できます。製品をつくる工場は factory で、つくられた話は fiction です。 また、fact は「事実」を意味しますが、事実は「実際に起きたこと」で、「誰かが起こしたもの…

『黄金の語根』第3位 cap, capt「つかむ、捕える」(L.capere)

(123語) 語根 cap は、ラテン語 L.capere に由来します。capere は 英語のcatch「ぐっとつかみ取る」、to grasp「つかみ取る」を意味します。 「つかむ」ことは日常生活で重要なことなので、派生語がたくさんあります。 語源のイメージとしては、つかみ取って受け入れるのは accept「受け取る」ことです。また、着手するから inception「開始」というわけです。事前に把握しているから anticipate「予測する」ことができます。頭の中で捕ら…

『黄金の語根』第6位 spect「(しっかり)見る」(L.spectare)

(91語) specは(まじまじと)見ることです。 expectはデートの時に「待ちかねて外を(ex)見る」ことです。期待しますよね。 respectは、素敵な人とすれ違って、「振り返って見る」ことです。尊敬する人がいたら振り返って見るので、尊敬する意味があります。 「ディスる」「ディスられる」は、けなす意味で使われますが、もとになる英語は disrespect 出現頻度: とても高い 日本の中学生や高校一、二年生が学ぶ英単語が多いです。 単語 接頭辞 意味 語源解説 exp…

『黄金の語根』第7位 reg「まっすぐにする、導く」(L.regere)

(89語) rect, regの綴りは「原理、ものさし、目盛り」のイメージがあります。語源の名詞は L.regula「基準、原則、ものさし、長い棒」です。動詞は L.regere 「境界を定める、導く、支配する」です。動詞の過去完了形が rectumなので、英語ではrect, regの綴りになっています。 出現頻度: とても高い 日本の中学生や高校一、二年生が学ぶ英単語が多いです。 L.regalis(王の) 単語 接頭辞 意味 語源解説 direct di 強調 まっすぐな…

『黄金の語根』第8位 cess, ced「行く、譲歩する」(L.cedere)

(88語) cessには、「行く、進む、与える、去る」など、人が歩いたり、気持ちや物を行かせるイメージがあります。 出現頻度: とても高い 日本の中学生や高校一、二年生が学ぶ英単語が多いです。 単語 接頭辞 意味 語源解説 process pro 前に 過程、工程 L.processus(前進、工程) necessary ne=not 必要な not 譲る=必要なので譲れない recession re 後ろに 後退、くぼみ、景気後退、返還 succeed suc 下 成功する…

『黄金の語根』第10位 vid「見る」(L.videre)

(82語) 語源は L.videre「見る」です。2000年以上前のローマ時代にタイムスリップして、「ウィデオ」とvideoを発音すると、りっぱに「私は見る」という意味で通じますよ。何故ならば、ラテン語は主語が無くても動詞の格変化で主語が分かるからです。videoは1人称単数形現在形です。 出現頻度: とても高い 日本の中学生や高校一、二年生が学ぶ英単語が多いです。 単語 接頭辞 意味 ◇語源解説 provide pro 前に あらかじめ用意する、備える ◇前もって見る、注意…

古英語 #01 A to Ay

古英語 #01 A to Ay 英単語のほとんどはラテン語由来の英国にとっては外来語です。このカテゴリーでは、英語本来の単語を取り上げます。英語本来の単語は、7世紀ごろから使われていた古英語(Old English、OEと略します)です。11世紀よりも前にイギリスで使われていた英語です。中英語 ME (Middle English)は11世紀以降の中世英語ですが、このカテゴリーにも入れています。さらには、近代に入ってからイギリスで使われるようになった単語もこのカテゴリーに入れ…

古英語 #11 Fi to Flo

…fuse by excitement,"←etymonline.comより 46 fluster early 15c 0 騒ぐ、あわてさせる ◇blaster (発破工、爆発するもの ◇PIE *pleu- "to flow" 47 flutter OE 1 (鳥が)j羽ばたきする、(旗が)はためく(flap)、◇OE 繰り返し浮かぶ(float) 48 foal OE 1 子馬、(1歳以下の)子馬、(ろば、らばの)子 ◇PIE *pulo-"young of an anim…

古英語 #12 Fo to Fr

…by wild excitement ◇frenzy 「逆上」がもと ◇frantically 大慌てで、死に物狂いになって、 28 freak OE > ME >1560s 気まぐれ、奇形、熱狂的なファン、~狂、【形】異常な、変わった ◇freaky 風変わりな 使用頻度が低い単語 29 forgo / forego OE 0 無しで済ませる 30 foregoing mid-15c 0 前述の、先行の ◇反意語 following 次の 31 foreground 169…

56 cite, cita 「ゆり動かす、駆り立てる」 (L.ciere, L.ciare)

(27語) cite はラテン語L.ciere 動かす、揺り動かす、駆り立てる、助けをもとめて呼ぶが語源です。またL.citare「呼ぶ、駆り立てる」も元は一緒で繋がっています。 代表的な単語は excite「興奮させる」です。心を揺り動かして刺激して、内にあるエネルギーを外に駆り立てるイメージです。 出現頻度: 高い 日本の高校二、三年生が学ぶ英単語が多いです。 単語 接頭辞 意味 語源解説 exciting 外へ 興奮させる、わくわくさせる cite (文章を)引用する、…

89 dom 「主人、家、領地」 (L.dominari)

(39語) ラテン語 L.dominor/dominari「支配する、管理する、飼い慣らす」が語源です。名詞L.dominusは「主人、支配、領土」。domには「主人、(地方の)支配者、家、領土」のイメージがあります。 支配する意味では、dominate、家庭の意味では、domestic、領土の意味では domainが代表的な単語です。 出現頻度: とても高い 日本の中学生や高校一、二年生が学ぶ英単語が多いです。 単語 接頭辞 意味 語源解説 dominate 支配する L.…

91 duct 「導く」 (L.ducere)

(64語) ラテン語 L.ducere「導く」が語源です。 ダクトをイメージすると、この語根に親しみがわくと思います。オフィスなどのエアコン用のダクトは空気を導くための物です。 「教育」 educationは e(中から外へ)+duc(導く)、つまり中にある才能を引き出すことです。外から詰め込むことではありません。 「指揮する、業務を行う」 conductは、con(みんなを一緒に)+duct(導く)です。コンダクターが行います。 L.ducere「導く」はローマ時代は軍隊を…

105 fin 「境界、終わる」 (L.finire)

fin (37単語) ラテン語 L.finire「境界を定める、終わる」が語源です。 final「最後の」の語源はラテン語形容詞のL.finalis(形)「境界の、最後の」です。境界を定めることと終えることはほぼ同じイメージだったのです。ですので、finを語源に持つ単語は「境界、限界、終点、終わる事」が密接に絡んでいます。 たとえば、ラテン語辞書を引くと以下のような単語が L.finire と同じページに出てきます。L.finalis (形)境界の、最後のL.finire (…

116 form 「形づくる」(L.formare)

(46語) formはラテン語L.formare(形作る)が語源です。粘土を手でこねて形を作る、粘土を型にはめて作るというイメージです。 ユニフォームuniformはuni(一つの型)でform(形作る)と分解できます。洋服ならば、一つの型で作れば、ぜんぶが同じ形になりますよね。 インフォメーション informationはin(頭の中に)form(形作る)と分解できます。つまり、頭の中に伝えようとしているイメージを作り出すことが伝達する目的になります。そのような情報を持って…

129 gen 「生む、産む」(L.generare)

gen (77語) genは「生む、産む」ことに関係しています。「生む、産む」に関連しているラテン語にはL.generare「生む」、L.genus「種類、誕生」、L.ginius「守護神、知的能力」、L.genialis「陽気な)」などがあります。(語源となるラテン語についてはこのページの単語表の右にある語源解説を参照してください。) 「生む」の代表的な単語はgenerateです。発生させる、子を産むという意味でL.generareの意味を受け継いでいます。 Gentlem…

133 gno, gni 「知る、認識する」 L.gnoscere

(51語) ラテン語L.gnoscere(古形) / L.noscere「知る、認識する」が語源です。 たとえばrecognize「認める」はre「再び」 co「共に」 gnize「知る」と分解できます。gnizeのところが語根です。ラテン語ではすでにL.cognoscere「知る、認識する」があったので、cogniの部分を「知る、認識する」と覚えるとよいです。すると、cognitive 「認識の、認知の」という単語にも親しみがわきますね。 Know「知る、知っている」もgn…

134 gress, grad 「歩み、階段、攻撃する」(L.gradus, Lgradior)

(46語) グレードgradeの語源はラテン語 L.gradus「歩み、前進、段、階段、階級」です。ラテン語の動詞はL.gradior / gressus(分詞)「歩く、進む」です。【形】はL.gradarius「一歩一歩の、着実な」 接頭辞が付いていろいろな意味になります。階段を進むようにだんだんと高くなる・低くなる意味や、歩んで行って、敵と出会ったところで交戦する意味にもなります。以下はラテン語と英語(同じ接頭辞)の対比です。下の英単語を見るときの参考にしてください。 L…

147 ject 「投げる」 (L.jacere)

ject (42語) ラテン語L.jacere「投げる」が語源です。 ここで取り上げる英単語には、ラテン語の【過去分詞形】のjectの綴りが多くつかわれています。綴り ject はラテン語では過去分詞形に現れますが、現在形などには出てきません。 以下の単語のリストはラテン語動詞の【過去分詞形】の綴りと、それに対する(ラテン語原形の)日本語での意味です。abjetum すてるadjectum 添えるconjectum 集める、推測するdejectum 投げ倒すdisjectum…

257 path, passi, patien「(心が)苦しむ」(L.patior/pati)

path, passi, patien (48語) 語源は ギリシャ語Gk.pathein、ラテン語L.patior/pati「(精神的に)苦しむ」。語源の意味は「(主に心の)苦しみ」です。 シンパシーsympathy(同情)はsym同じ+pathy(心の苦しみ)と分解できます。 patient(忍耐強い、患者)はL.patiens(忍耐、苦しみに耐える)が語源です。impatient(耐えられない、短気な)はその否定形です。 passion(情熱)のもとはL.pati(苦し…

261 pend, pens「つるす、計量する」(L.pendere)

pend, pens (66語) ラテン語L.pendere「つるす、計量する」が語源です。2500時年前には天秤(てんびん)が重要な計測器具でした。皿をつるして釣り合うようにして量ります。「つるす」という動作も、現在よりも重要な意味を持っていました。ペンダントpendantは宝石を首からつるすものですね。 「頼る」意味のdependは人に寄りかかり、ぶるさがるイメージです。 否定のdisをつけた「頼らない」というイメージのindependenceは「独立」の意味です。 当時…

第4回語源の広場セミナー 参加ありがとうございました

5/12 第4回 語源の広場セミナーを行い、26名の方に参加いただきました。どうもありがとうございました。多くの好意的なフィードバックをいただきました。「楽しい学習」のきっかけにしていただけたと思います。 最後のQ&Aのセッションでは、語源や英単語に関する質問の他、学習方法や「スクールの活用方法」「どうやって学習時間を作るか」などの質疑応答も行われました。 次回は9月8日15:30です。場所の都合で定員が25人に減りますので、お申し込みはお早めにお願いします。 www.kok…

274 port「持ち運ぶ」(L.portare)

port (54語) ラテン語portare「持ち運ぶ」が語源です。港に運び入れるim意味でimport「輸入」、港から運び出すex意味でexport「輸出」があります。L.porta(門)は運び入れたり出したりするところです。横浜ポルタ(PORTA)は港町・空港のバスターミナルなどからイメージしたと思われます。 出現頻度: とても高い 日本の中学生や高校一、二年生が学ぶ英単語が多いです。 単語 接頭辞 意味 語源解説 export ex外に 輸出する、輸出 運び出す imp…

276 possi, potent, power「出来る、力」(L.possum, potentia)

possi, potent, power (31語) ラテン語L.potentia「力」とL.possum「できる」が語源です。L.possumの分詞がL.potens「力強い、できる」です。L.potentiaと紛らわしいですね。 英語のpower「力」も元をたどるとL.possumの活用形posseに行きつくので、ここで取り上げます。 出現頻度: とても高い 日本の中学生や高校一、二年生が学ぶ英単語が多いです。 単語 接頭辞 意味 語源解説 possible 可能な L.…

278 press「圧する、押す」(L.pressare)

press (49語) ラテン語L.pressare「圧する、押しつける」が語源です。プレッシャーpressureとプレスpressが代表的な単語としてイメージしやすいです。 外に向けて押すと、表現するという意味のexpress。心の中に感銘を押し付ける意味でimpressがあります。心を下に向けて押し付けると気持ちが落ち込むdepressです。いろいろな接頭辞が付いた以下の表の単語でイメージをふくらませてください。 ラテン語pressareはL.premere(圧するto …

281 prob, prov「証明する」(L.probare)

prob, prov (48語) ラテン語L.probare「(テストした結果)良いと認める」が語源です。「証明する」意味のproveは実際にテストした結果が良かったので証明されたのです。「賛成する」意味のapproveはテスト結果が良かったので賛成するイメージです。Probably(十中八九は)のイメージは検査されても大丈夫なぐらいの確かさです。Proof「証拠」は品質保証がされている意味で、waterproof(防水), bulletproof(防弾), foolproo…

288 quest, quire, quisit「探し求める」(L.quaerere)

quest, quire, quisit (51語) ラテン語L.quaerere「探し求める、探求する」が語源です。ドラゴン・クエストのquestが代表的なイメージです。回答を求めて行うquestion「質問」、希望を再度(re-)要求するrequest「要望する」などの単語からイメージをふくらませてください。 出現頻度: とても高い 日本の中学生や高校一、二年生が学ぶ英単語が多いです。 単語 接頭辞 意味 語源解説 question 質問、問題点、質問する、疑う 仏語qu…

309 sat, satis「満たす、一杯にする」(L.satiare)

sat, satis (32語) ラテン語satiare「満たす」が語源です。おもに心を満たす意味で使われますが、物を満たすの意味にも使えます。 歌のタイトルになったサティスファクションsatisfactionは「心に満足satisを与えるfact」が語源です。満たすsatisは欲しいものが十分以上に与えられて満腹になっている状態です。 Asset(資産、財産)は良くつかわれる単語ですね。これは負債を支払うことが楽にできるほどのお金を持っていることが語源です。 出現頻度: と…

316 scrib, script「書く、字を刻む」(L.scribere)

scrib, script (45) ラテン語L.scribere「書く(石板に字を刻む)」が語源です。2500年前は現在のような筆記具がなかったので、書くというと石板に金属で文字を刻むイメージですね。 強意のdeがついたdescribe(描写する)がこの語根を使った代表的な英単語です。映画やTVの台本、スクリプトscriptにはPTがついていますね。これは語根のラテン語の過去分詞形から来ています。したがって「書かれた台本」というような受け身的なイメージがつきます。 出現頻度…