語源の広場

『英語耳』松澤喜好、『日本語と英語をつなぐ』すずきひろし、『Gogengo!』角掛拓未が送る、英語の語源をさまざまな切り口でお伝えするコンテンツです。

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327simil, sembl「似る、似せる」(L.simulare)

simil, sembl (37語) ラテン語L.simulare「似る、似せる」が語源の単語です。英語はsimilar(似ている)がラテン語に似てますね。ちなみに2500年前のラテン語にはすでに次のような派生語がありました。 L.simulatorはPC関連のシミュレータsimulatorと綴りまで似ています。L.similisが英語のsimilar(類似した)に対応します。L.similitudoが英語ではsimilitude(比喩・ひゆ)です。L.simulacrumは…

341 strict, stra, stre 「締め付ける、引っ張る」(L.stringere)

strict, stra, stre (54語) ラテン語L.stringere「締めつける」が語源です。おなじみの単語にはstressストレスがあります。ストレスにはメンタル的に締め付けられる、きつく押し付けられるという語源の意味があります。物騒ですが首を絞めつけるstrangle(絞め殺す)もイメージがわきやすいです。女性がご存知のアストリンゼントastringentは毛穴などを収れんする化粧水です。 出現頻度: とても高い 日本の中学生や高校一、二年生が学ぶ英単語が多い…

347 tact, tain, tang「触れる、さわる」(L.tangere)

tact, tain, teg, tang (42語) ラテン語L.tangere「触れる、さわる」が語源です。 代表的な単語はcontact(接触する)です。お互いにcon触れるtactのがコンタクトのイメージです。 だれも触っていない(in)ので汚れや傷や不足部品がない状態をintact(完全な)と言います。この完全な(untouched無傷の)イメージがentire(全体の), integer(整数(分割していない))にもあります。 サイン・コサイン・タンジェントのta…

351 ten, tain「保つ」(L.tenere)

ten, tain, tin, tent「保つ」 (71語) ラテン語L.tenere「保つ」が語源です。英語に訳すと hold, keepの意味です。仏語の「保つ」は tenirですのでラテン語にそっくりです。 共にという接頭辞conがつくとcontain(含む、収納する)がこの語根を使った代表的な語です。またcontinue(続く)は間にさえぎる物を置かないで続けるイメージです。Continent(大陸)はいくつかの国がつながっている大きな陸地のことです。 出現頻度: と…

352 tend, tent「手を伸ばす」(L.tendere)

tend, tent, tens「手を伸ばす」 (71語) ラテン語tendere「伸ばす、広げる、張る」が語源です。手を伸ばすイメージです。物理的に手を伸ばす意味に加えて、心理的な気持ちを伸ばすイメージもあります。手を伸ばして世話をするattend、互いに争うcontend、外側に広げるextendなど。気持ちを向けて注意するattention、中に気持ちを向けるintend、うわべを取り繕う ostention、人前で言い訳・ふりをするpretendなどの単語があります。…

367 tract, treat「引きずる」(L.trahere)

tract, treat「引きずる」 (72語) ラテン語L.trahere「引く、引きずる」が語源です。Tractor(トラクター)という単語は後方に農具・貨車を取り付けて引っ張るイメージがこの語にぴったりです。引っ張ってできた跡がtrack(足跡)です。Trackは陸上競技のトラック(走路)の意味に使われます。ペンを引いた跡のイマージがtrace(トレース)です。 出現頻度: とても高い 日本の中学生や高校一、二年生が学ぶ英単語が多いです。 単語 接頭辞 意味 語源解説 …

387 valu, vail「価値がある」(L.valere)

val, valu, vail「価値がある」「強い」 (42語) 語源L.valereは「強さがある」と「価値がある」という2つの意味を持っています。強いことと価値があることは似たイメージだったのですね。代表的な単語は、value(価値), available(利用できる)です。 Available(~に利用できる、役に立つ)のイメージは強い価値がある物や人が使える状態にある状態です。 人にavailableを使うと「いますか?」「(会議などに)出席できますか?」となります。…

393 ven, vent「来る」(L.venire)

ven, vent (59語) ラテン語L.venire「来る」が語源です。英語は「来るcome」がよく使われている超重要な動詞です。ラテン語の「来るvenire」、フランス語の「来るvenir」も超重要な動詞です。このためラテン語の中にはvenireから派生した合成語が沢山あります。フランス語も同様にたくさんの派生語があります。そして、その多くがここで見るように英語に入ってきています。 「語源の窓 第7話」でもven, ventを取り上げていますので、ご覧ください。 出現頻…

「英単語の語源図鑑」東京メトロ・阪急電車の車内広告

「英単語の語源図鑑」(かんき出版)のステッカー広告が、9月末まで東京メトロ各線と阪急電車に掲示されています。各車両のどこかにあると思いますので、ご乗車の機会がある方は探してみてください。 これをきっかけに語源を使った英単語学習が、皆さんの身近なものになるといいなと著者のひとりとして思っています。 10月6日の「第3回語源の広場セミナー」では、この「英単語の語源図鑑」の内容についてもお話します。興味のある方はぜひ、相模大野までお越しください。新宿から35分から40分ほどです。 …

語源の窓 第1話

albatrossは目からウロコ! 「語源の窓」にようこそ。「語源の窓」からは「語源の広場」がよく見えます。ローマの素敵なカフェで、豊かなコーフィータイムを過ごしている自分をご想像してください。思案にふけりながら、ときどき外を見て通りがかる人々のファッションやしぐさをぼんやりとながめる至福の時間。 「語源の窓」というコラムは全部で24話です。今回はその第一話です。 第一話では、私がなぜ語源に興味を持ったのかについて書かせていただきます。私の語源歴です。過去に素敵な出会いがあっ…

語源の窓 第3話

「語源辞典」誕生物語 SPACE ALCに15年間提供していた「語源辞典」は以下のようにして誕生しました。僕と語源とのお付き合いの歴史でもあります。 僕は英単語を覚えるためには単語帳は作っていませんでした。大学受験以来、語源が出ている英和辞書をこまめに引いて語源の説明でイメージを作りながら意味と発音を学習していました。いまから思うと原始的な語源の学習を行っていたのです。 だんだんと語彙が増えるにつれて、物足りなくなってきました。大型の辞典を引くと同じ語根から発生した多くの単語…

語源の窓 第4話

2,500年前をイメージする ラテン語を語源とする英単語は2500年前のローマ時代とほぼ同じ意味で現在も変わらずに使われています。ただし電気もガスもなかった2500年も前の時代と現在との生活習慣の違いのために連想が難しくなっているものもあります。 ぼくは、英単語の中に入っている語源が使われていたという2500年ぐらい前の時代と言葉に興味があります。「語源の広場」のメンバーの一人は1万年かそれ以上前の時代と言葉に強い関心を示しています。 例1:exact「正確な」を語源で分解す…

語源の窓 第5話

続2,500年前をイメージする 2500年前のお話を続けましょう。 dictionary(辞書)の元になったラテン語はdicere(言う、話す)でした。「書く」ことから来ているとイメージすると思いますが、書いた単語を集めたのではなかったのです。言い回しを集めたものです。だからdictation(口述)は先生が話すことを書き取るのですよ。 education(教育)のラテン語はducere(導き出す、引き出す)です。教育とは知識を押し付けるのではなく才能を導き出すことだったので…

語源の窓 第6話

接頭辞も2500年前にあった 今回は英語で重要な「接頭辞」を11個選びました。英語の接頭辞+語根という構造は2500年前のラテン語ですでに完成していました。このこと自体が驚きですが、2500年前の「接頭辞」が現在も英語に同じ意味で使われていることが更なる驚きです。 このページの最後に2500年前のラテン語の接頭辞をラテン語mittere(送る)を例に17のラテン語単語で表しています。 接頭辞については、語源の広場>黄金の接頭辞のところで詳しく書いていますので、そちらもご覧くだ…

語源の窓 第7話

語源でつながる英仏単語 第二外国語に仏、西、伊語を学習している人に朗報です。英語と日本語の違いと比較すると英語と仏・西・伊語は大阪弁と東京弁くらいに近い関係です。英米人は日本人が英語を学ぶための労力の10分の1以下で仏語や西、伊語をマスターしているのです。 このことは具体的に語源をもとに英仏単語を比較すると納得できます。例えばラテン語のvenire(来る)を語源とする英単語44個に仏単語を当てはめてみると40個以上(90%)が同じ単語に見えます。(注1) Venireのように…

語源の窓 第8話

同じ語源でもスペルが違うのはなぜ agentとactionagent(エージェント)とact(行為)はともにラテン語agere(為す)が語源ですが、全てがage-のスペルではなくactのように「t」を持つものがあります。 procedureとexceed exceed, excessはラテン語cedere(行く)から来ていますがexcessにはssが入っています。 今回は役に立つワンポイントとしてtやssがよく使われる理由です。原因はラテン語の過去分詞形のスペルです。ラテン語…

語源の窓 第10話

語源で知る類語のニュアンスの違い 前回出題した「advice(忠告する)」「evidence(証拠)」「video(ビデオ)」は、ラテン語videre「見る」の派生語です。 adviseはad-(の方を)+videre(見る)です。adviseの-viseはただ見るのではなく、注意深く何度も見るイメージがあります。見て気づいたことに対して「違う違う」「こうしたほうがいいよ」と言ってあげることです。見ることから直接相手に会って忠告するイメージがあります。 evidenceはe-…

語源の窓 第11話

語源による単語のイメージの作り方 「語源で英単語のイメージをつかむには初心者には慣れ・訓練が必要なようですが、何かコツがあるのですか?」という質問がよくあります。以下の3単語でイメージをつかむ練習をしましょう。 divert(向きを変える、気晴らしをする)を旧SPACEALCの語源辞典では以下のように書いてありました。 『divert そらす、気を紛らす(横をむくから)[語源] di-=dis-(離れて)+L.vertere(変える、向く)これが語源!の欄にはvert-, v…

語源の窓 第12話

語源による単語のイメージの作り方(続き) アルクの「英語と仲直りできる本」(*注)の中に、「単語によって、range of meaning (意味の範囲)がいろいろある」とあります。日英の単語はこの意味の範囲が一致しないために、英語学習者は大変苦労します。 例えば「安い」と cheapは一対一に対応しない。安い本 cheap、給料が安いはcheapではなく lowを使う等です。 英和辞典を引くと、一つの単語に2つ以上の訳があり、どれなのか困った経験があると思います。英語と日本…

語源の窓 第13話

プロポーズproposeは彼女の前に愛を置くこと 前の第12話で宿題にした3つの単語compose(構成する、作曲する)deposit(貯金)propose(求婚する、提案する)に共通するイメージは「置く」というラテン語ponereです。『黄金の語根』の第9位の語源です。 プロポーズはラテン語でpro-(前に)+ponere(置く)と分解できます。彼女の前に自分の身を差し出す、彼女の前に私の愛を置くというイメージですね。もとのラテン語proponereは(前に置く、見えるとこ…

語源の窓 第14話

SVL12000への語源活用法 英語を自在にあやつるという夢を実現するために必要な語彙は、私は先輩から2万語位は必要と言われました。どの2万語なのだろうと自分なりに考えてきましたが、学研のニュー・ヴィクトリー・アンカー英和辞典の見出し語の約25,500語が良い目安になります。 ALCのSVL12000語(*注1)は(派生語・固有名詞が削ぎ落としてあるので)同等の内容を持っていると思っています。 SVL12000語を攻略するために語源を分析するとラテン語系が59%、英語系が23…

語源の窓 第16話

番外編:日本語とラテン語は同じ仲間? 世界の言語を語順に関して大別すると、以下の2種類があります。(1) 語順を自由に変えられる言語。(2) 原則的に語順が決まっている言語 ラテン語も日本語も(1)の語順が自由な言語の仲間です。英語は(2)の、語順が変わると意味が変わる言語です。語順が自由な言語は、どの単語が主語か目的語なのかがすぐわかるような仕掛けがあります。 日本語の場合には「て・に・を・は」などが付きます。ラテン語は名詞が格変化します。 有名なラテン語「Et tu, B…

語源の窓 第17話

語源の落とし穴? アメリカの学生は英語の語彙を増やすために語源の知識を活用しています。インテリの多い高校や大学ではラテン語を教えています。語彙を増やすためのアメリカの実用書には必ずといっていいほど語源の活用が出てきます。 私の手元にちょっと古い語彙の参考書WORD SMART(注1)があります。これにも語源の活用法が述べてあるのですが、同時に、語源に頼りすぎてもいけないとも警告しています。 その例としてverdantとpediatricianを挙げています。 verdantは…

語源の窓 第18話

PersonとPeople 昔、「人の数」を言うのに、one person, two persons, three personsと言ったら、ネイティブ・スピーカーに「違う、one person, two people, three peopleだ」と直されたことがあります。単数と複数の関係がずっと気になっていたので調べてみました。 ●personは辞書をひくと「個性のある個人」という意味です。類語のpersonalityが「(ひとりひとり別々の)個性」なので、「特徴のある人…

語源の窓 第19話

ギリシャ語が語源の単語 ずいぶん昔のことでしたが、2004年はアテネオリンピックの年でした。TVの放送で、多くの方がギリシャ語のアルファベットを目にしたことと思います。 最近の数年ではギリシャの経済危機のニュースでギリシャ語を目にしました。 実は英語のalphabetはギリシャ語のα(アルファー)とβ(ベータ)から来ています。ギリシャを 征服した後のローマ時代でも、ギリシャはあこがれの文化の国でした。そのためローマの知識人は ギリシャ語の読み書きができました。 ローマ時代の上…

語源の窓 第20話

古代ローマと大統領選 2016年は4年ごとの米国大統領選挙の年でしたね。意外な大統領が選ばれたので、2017年は変化の多い年になります。米国の選挙は538の票が州ごとに配分されて大統領を決める複雑なもののようです。 米国が古代ローマの投票制度を真似したからだと考えることができるそうですが。 古代ローマは約2400年前にはすでに市民集会で毎年2人の執政官(L.consul)や重要な閣僚を選んでいました。。市民集会の票はローマ市民全員ではなく兵役の有資格者の100人(L.cent…

語源の窓 第21話

熟語(やさしい単語)と語源(接頭辞+語根) 英単語には大別して2種類あります。1つは古英語に由来する基礎的な単語で、日常会話でよく使われます。もう1つはラテン語を由来とする単語で、主に書き言葉に使われます。これは、同じ意味の単語が複数存在することを意味します。 下の表は左が英語look「見る」の熟語です。lookに前置詞・副詞を付けることで具体的な動作を表せます。 真中の欄はラテン語のspectare「見る」の派生語です。接頭辞が前置詞の役割をしているので左の英語の熟語とほぼ…

語源の窓 第22話

辞書のたくさんの意味の見分け方 前回で、respectはlook back(振り返る)と同じ意味のラテン語respicereが語源と説明したところ、「respect(尊敬する)とは関連がなさそう、どうして?」という質問がありましたので詳しく見てみましょう。 英英辞典、Merriam Webster's Collegiate Dictionaryは私が語源のチェックに使っている辞書です。単語の生い立ちが定義にも表れていてわかりやすいからです。 www.merriam-webst…

語源の窓 第23話

カレンダーの英語は2か月ずれてる? もう2017年!今回はカレンダーに関連したお話です。 ラテン語で8番目という意味のOctoberが、なんで英語で「10月」を示すのだろうと不思議だったので調べてみました。 OctopusはOcto(8の) + pous(足)と分解できます。8本足のタコのことです。 実はシーザーの時代に制定されたカエサル歴(B.C. 45年)よりも前の共和制ローマでは1年は今の3月から始まっていたのです。つまり2カ月ずれていたのですね。 ちなみにCalend…

『黄金の接頭辞』第1位 com, con「共に、いっしょに、互いに、すっかり」

接頭辞 comは語源TOP10の1000単語の中の81単語に使われています。 アルファベット順 # 単語 接頭辞 出現頻度 意味 ◇語源解説 1 coefficient co 共に 0 (数)係数 ◇ [用例] differential coefficient(微分係数) 2 complex com 共に 4 複合の、複雑な、施設総合体、コンプレックス 3 complexion com 共に *ion(名) 1 顔色、肌色、外観◇体質は体液の組み合わせと考えられた 4 com…