語源の広場

『英語耳』松澤喜好、『日本語と英語をつなぐ』すずきひろし、『Gogengo!』角掛拓未が送る、英語の語源をさまざまな切り口でお伝えするコンテンツです。

第5回語源の広場セミナーへの参加ありがとうございました

9月8日、台風が迫る中キャンセルした方もいらっしゃいましたが、遠方からの方も含め18名の方にセミナーに参加いただきました。どうもありがとうございました。

 

いつものように書かれた質問にお答えしましたが

1)印欧祖語とゲルマン祖語はどう違う?ラテン語やギリシャ語との関係は?

→ラテン語もゲルマン祖語もギリシャ語も、どれもおおもとが印欧祖語。だから似ていて当然です。

2)熟語に関しても英単語の語源のように楽しく効率的に学ぶ方法は?

→語彙を増やすのと同様に、基本動詞の使い道を増やすことも重要です。どうしたら効率的かですが、熟語を訳語で暗記するのではなくて、熟語を構成する基本動詞(makeやgiveなど)や前置詞(in、forなど)や副詞(upなど)の「基本的な意味(コアの意味)」をきちんと理解すれば、その組み合わせでの意味も理解しやすくなります。それは単語の接頭辞と語根を理解すれば意味を理解しやすいのと同じ考えです。

3) おすすめのオンラインの語源辞典を教えて下さい

→「語源の広場」や「Gogengo」を見て下さい。そこになければ、Online Etymologyというサイトを見て下さい。英語で書かれていますが、慣れると読めるようになります。

4) department storeのde+partでなぜ「店舗」の意味になる?

→「店舗」の意味はstoreの方にあって、departは「part」が「de(離れる)」のであるから「分離」「区分」のような意味です。「おもちゃうりば」が"toy department"で「紳士服売り場」が"men's clothes department"で、それらの集合体がdepartment storeです。会社組織でdepartmentといえば部署ですね。

5)domesticが「国内の」の意味なのにdomesticateが「飼いならす」の意味になるのはなぜ?

→domesticのdomはもともとは「神の棲む家」でそこから「神が棲む大聖堂の半球状の屋根の形」や「家」「家庭」を表すようになりました。「家」から「飼いならす」にはつながりますね。国の地域を「家」に例えることも想像できますから「国内の」の意味があることも想像できます。

など

そのあともいろいろ質問をいただき、サラリーマンが書籍を書くことになったきっかけなどのお話をしました。その道を究めた研究者や学者の表現とは一味違う、学習者としての視線でのことを単純化した表現が可能なのではないかというお話をしました。例えばすずきのイラスト表現が追及するのは「図解的明示」と「簡素化」「単純化」です。それは普通のイラストレータにはできないし、学者の方にもできないことだと思います。

語源解釈には諸説ある場合もあります。正確な解釈を追求するのが学習者のゴールではなく、単語をおぼえることがゴールであるので、必ずしもその語の経緯や語源解釈を正確に理解する必要はないというお話をしました。

ほかにも、リスニングの際の処理の自動化の話や、リスニングの受容性を高める方法の話など、様々なお話をすることができました。

どうもありがとうございました。次回の開催が決まれば、告知します。

(すずき 記)