語源の広場

『英語耳』松澤喜好、『日本語と英語をつなぐ』すずきひろし、『Gogengo!』角掛拓未が送る、英語の語源をさまざまな切り口でお伝えするコンテンツです。

381 unda「波打つ」L.undare

(18語) surround「囲む」は、小島が波が押し寄せて囲われているイメージです。ラテン語L.undare「波打つ、波であふれる、波が押し寄せる」が語源です。

 

redundant「余分な、過剰な」は、L.redundare「あふれる」が語源です。re再び+undare「波が寄せる」に分解できます。

 

water, whisky, vodka, winterは印欧祖語 wed-「水、濡れている」にさかのぼり、L.undareともつながるので、親しい関係にあると考えられます。

 

winter「冬」は ◇古英語wnter、印欧祖語 wed-「水、濡れている」につながる説と、vindo-「白」と関係するという説もあります。

出現頻度: 高い

日本の中学生が学ぶ英単語が多いです。

単語 接頭辞 意味 語源解説
 surround    囲む、めぐらす ◇LL.superundare「あふれる」、L.super(=above)+L.undare(=to surge 波打つ)  
 water    水 ◇古英語water、印欧祖語 wed-「水、濡れている」に遡る。  



出現頻度: 中くらい

日本の高校生が学ぶ英単語が多いです。

単語 接頭辞 意味 語源解説
 redundant    余分な、冗長な、あふれる、過剰な、(古)波のような、流れ帰る ◇L.redundare「あふれる」、re再び+undare  
 redundancy    余分、過剰、冗長度  
 surroundings  

 (通常pl.)環境、周囲の状況(人々)

◇LL.superundare「あふれる」、L.super(=above)+L.undare(=to surge 波打つ)

 
 winter    冬、ウインター ◇古英語wnter、印欧祖語 wed-「水、濡れている」につながる説と、vindo-「白」との説もあります。  
 whisky/ whiskey    ウイスキー ◇印欧祖語 wed-「水、濡れている」に遡る説がある  



出現頻度: やや低い

日本の学生が大学受験を目指す頃に学ぶ英単語です。

単語 接頭辞 意味 語源解説
 abound    富む、満ちている ◇OF. < L.abundare(=あふれる) < ab+undare(=波立つ) <unda(=波)  
 abundant    豊富な、たくさんの ◇L.aboundの形、ab+und(=あふれ出るほどの)  
 abundance    豊富、たくさん  
 inundate    (場所を)水浸しにする、(比喩的)あふれさせる  
 undulate    波立つ、(土地が)ゆるやかに起伏する ◇L.unda(=wave 波)  
 vodka    ウオッカ ◇ロシア語vodka=voda水 + -ka(指小辞)  



出現頻度: とても低い

英米の高校生レベルの語彙です。このレベルになると語彙は 15,000 語を超えます。見慣れない複雑な英単語が増えますが、よく見てみると、意外と語源のイメージを応用できます。

単語 接頭辞 意味 語源解説
 abundantly    たくさん(に)、豊かに  
 inundation    洪水、氾濫 ◇L.in+undare(=あふれる、波立つ)  
 redound    結果として帰ってくる、返報 ◇L.redundare(=あふれ出る) = re+undare(=波立つ、増水)  
 undulant    波打つ、波状の  
 undulation    波動、地表の起伏、(光、音の)波動、振動