語源の広場

『英語耳』松澤喜好、『日本語と英語をつなぐ』すずきひろし、『Gogengo!』角掛拓未が送る、英語の語源をさまざまな切り口でお伝えするコンテンツです。

291 (erase) 「こすり落とす」L.radere

(14語) eraser「消しゴム」はerase「消す」の名詞です。erase「消す」の語源は、L.eradere=to scrape outつまりゴシゴシこすって消すことです。L.ex=out外して+L.radere「削る」に分解出来て、削り取るの意味です。

 もともとは、こすって落とす、ガリガリ削って消すことなのです。

 

レーザービームの razorの語源もL.radere「削る」です。削る→(ひげを剃る)→ razor「ひげ剃り」です。鋭くとがった歯でひげを「削る、剃る」動作から来ています。鋭い形からは razoredge「剃刀の歯、鋭くとがった山の尾根」の意味にもなっています。

 



出現頻度: やや低い

日本の学生が大学受験を目指す頃に学ぶ英単語です。

単語 接頭辞 意味 語源解説
 erase    (文字を)ぬぐい消す、(音やデータを)消す、削除する ◇L.eradere=to scrape out、L.ex=out外して+radere削る=削り取る  
 razor    かみそり ◇L.radere -> ML.rasare -> F.raser 「ひげなどを剃る」。F.rasoirかみそり  
 abrasive    研磨の、(人の心を)傷つけやすい  
       
( rodent)    【形】かじる、齧歯(げっし)の、【名】齧歯(げっし)動物(ネズミ、リス、ビーバーなど) ◇L.rodere かじる。L.radere 「削る」と関連しているという説がありますが、L.rodereは別のページで扱います。  



出現頻度: とても低い

英米の高校生レベルの語彙です。このレベルになると語彙は 15,000 語を超えます。見慣れない複雑な英単語が増えますが、よく見てみると、意外と語源のイメージを応用できます。

単語 接頭辞 意味 語源解説
 abrade    すりむく、すり減らす、研磨する ◇L.abradere削り落とす、ab=away+L.radere削る=shave away, scrape off  
 abrasion    すりむくこと、研磨、侵食作用  
 abradant    研磨用の、研磨剤  
 corrade    (河流が岩などを)すり削る、(侵食のために)くずれ落ちる ◇L.corradere、com/cor+L.radere  
 corrasion    (侵食作用による)摩耗、崩壊  
 eraser    消しゴム、黒板ふき  
 erasure    ぬぐい消すこと、削除  
 erasion    すり消し、削除、抹消  
 raze    破壊する、粉砕する  
 razor-sharp    かみそりのように鋭い、切れ味の良い、頭の切れる  
 razoredge    かみそりの刃、きわどい立場、鋭くとがった山の尾根