語源の広場

『英語耳』松澤喜好、『日本語と英語をつなぐ』すずきひろし、『Gogengo!』角掛拓未が送る、英語の語源をさまざまな切り口でお伝えするコンテンツです。

285 pung, punct, point「突き刺す」(L.pungere)

  (30語) point(点、とがった先端)の語源はL.pungere刺す、突き刺すがからんでいます。タイヤなどのパンク punctureは突き刺した結果のパンク。点の意味のpoint点はL.pungere(突き刺す)と古仏語pointe(先端、点)を経て英語に入った。もとの「刺す」の意味と、とがった先端および点の意味の合成語なので、pointには多くの意味が有ります。

 

出現頻度: とても高い

日本の中学生や高校一、二年生が学ぶ英単語が多いです。

単語 接頭辞 意味 語源解説
 point    剣の先端、点(刺した小さな穴のイメージ)、句読点、要点  L.pungere→仏.pointeから

 

出現頻度: 高い

日本の高校二、三年生が学ぶ英単語が多いです。

単語 接頭辞 意味 語源解説
 appoint  ap=to 指名する、約束する   一点を指し示す
 appointment  ap=to 約束、任命  
 disappointed  dis=not  がっかりした、失望した   (約束)から外す
 punch    パンチ、こぶしの一撃(突き刺して孔をあけるもの)、穴あけ器、げんこつで殴る(平手はslap)  仏語の「穴をあける」から、なぐる意味が派生

 

出現頻度: ふつう

日本の学生が大学受験を目指す頃に学ぶ英単語です。

単語 接頭辞 意味 語源解説
disappointing  dis=not

つまらない、失望させる

 
disappointment  dis=not 失望、落胆  
pointed   とがった、鋭い  



出現頻度: 低い

日本の大学生や社会人が必要な時期に習う英単語です。

koeigo 
単語 接頭辞 意味 語源解説
 appointee  ap=to  任命された人  
 disappoint  dis=not  失望させる  dis (約束)から外す
 poignant    心が痛む、しんらつな、痛切な  古仏語の綴りから
 point-blank    至近距離の(真ん中の白い標的)、あからさまの  
 pointer  

 ポインター(指示棒)、指摘する人、ポインター(猟犬=狙う犬)

 
 pointless    無意味な、むだな  
pounce    急におそいかかる、つかみかかる  語源不詳(鳥の爪の意。急におそいかかることから?)
 prick    ちくりと刺す、刺して傷つける  古英語 prica 点、先端
 puncture    パンクすること、刺すこと  L.punctum 点
 punctuate    句読点をつける(点を入れる)  
 punctual    時間厳守の、遅刻しない(時間の一点を守る)  
 pungent    ピリッとする(ソースなど)、刺すような L.pungere刺す:現在分詞



出現頻度: とても低い

英米の高校生レベルの語彙です。このレベルになると語彙は 15,000 語を超えます。見慣れない複雑な英単語が増えますが、よく見てみると、意外と語源のイメージを応用できます。

単語 接頭辞 意味 語源解説
disappointingly dis=not がっかりと、失望するほど  
 compunction com=with 後悔、良心のとがめ com=with= 心を突き刺す
expunge ex=out 削除する  ex=out 突いて外す
 expunction ex=out 削除、抹消  
 poignancy   痛切さ、鋭いこと  古仏語の綴りから
 pointing   レンガの目地仕上げ  指でさし示す事から
 punctuation    句読点  
 punctilious   礼儀作法のやかましい、堅苦しい、几帳面な  
 punctilio    行為の微細な点(突いた小さな点)、(作法の)細かい点  
 punctuality    時間厳守の  

 


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