語源の広場

『英語耳』松澤喜好、『日本語と英語をつなぐ』すずきひろし、『Gogengo!』角掛拓未が送る、英語の語源をさまざまな切り口でお伝えするコンテンツです。

11 acid-, acerb-「酸っぱい、酸の」L.acidus

(32語) acid-はラテン語【形】L.acidus「酸っぱい」が語源です。動詞はL.acere「(ぶどう酒が)酸っぱい、(刺すような臭いで)不快である」です。

 acid「酸」にはもともと腐ったぶどう酒のイメージが有ったのです。acid+Xは化学にたくさん出て来る、酸化Xの酸の部分です。

  acute「(痛みが)激しい、鋭い、先がとがった」は別の語源L.acuere「鋭くする、刺激する」から来ています。針で刺されて痛いイメージが有ります。acidは舌が痛くなる味覚に関するものですが、このページでは一緒に取り上げます。

 

出現頻度: 中くらい

日本の高校生が学ぶ英単語が多いです。

単語 接頭辞 意味 語源解説
 acid   【形】すっぱい、苦い、辛辣な  
 acute   (感覚が)鋭い、先がとがった、(医)急性の ◇L.acuere(鋭くする)  L.acus(針)、仏語acuite



出現頻度: やや低い

日本の学生が大学受験を目指す頃に学ぶ英単語です。

単語 接頭辞 意味 語源解説
 acidic    酸性の  
 acrimonious    手厳しい、辛らつな  
 acupuncture    針治療 ◇acus(針)+puncture(刺すこと)   
 acutely    鋭く、痛切に  
 exasperate ex 完全に  人を怒らせる ◇L.asper(ざらざらした、粗い、すっぱい)  



出現頻度: とても低い

英米の高校生レベルの語彙です。このレベルになると語彙は 15,000 語を超えます。見慣れない複雑な英単語が増えますが、よく見てみると、意外と語源のイメージを応用できます。

単語 接頭辞 意味 語源解説
 acerbic    【形】すっぱい、苦い、辛辣な  
 acerbate    すっぱくする、イライラさせる、怒らせる  
 acerbity    酸味、にが味  
 acetate    (化学)酢酸塩、アセテート(酢酸繊維)   
 acetic    酸の、すっぱい  
 acetic acid    (化学)酢酸  
 aceto-   (化学)アセチル(CH3CO)を含んだ  
 acetone   (化学)アセトン(無色揮発性の液体)  
 acetylene   (化学)アセチレン(ガス)  
 acidic    酸性の  
 acidity    酸性度(雨など)   
 acidulate    すっぱくする、酸味をおびさせる  
 acidulous    やや酸味の有る、辛らつな  
 acrid    手厳しい、辛辣な、味がぴりっとする  
 acrimoniously    辛らつに、きつく  
 acrimony    意地悪いきびしさ、辛辣  
 acumen    鋭さ、洞察力 ◇L.acumen(先がとがっていること  
 acuminate    (植物、生物)先のとがった  
 acupressure    指圧、指圧療法  
 acupuncturist    針療法士  
 acuteness    鋭さ、痛切さ  
 ague    (マラリアの)おこり、悪寒   
 exacerbation  ex 完全に  (病気、問題の)悪化  
 asperity    辛らつさ、荒々しさ  
 exasperation    激怒(angerよりも激しい)