語源の広場

『英語耳』松澤喜好、『日本語と英語をつなぐ』すずきひろし、『Gogengo!』角掛拓未が送る、英語の語源をさまざまな切り口でお伝えするコンテンツです。

308 savor, sapiens「知っている、味覚が鋭い」L.sapiens

(15語) Homo sapiens「人類、ホモサピエンス」のサピエンスの部分は、ラテン語、L.sapiens「賢明な」【名】「賢人」が語源です。学名の「人類」なのでラテン語が与えられています。

 

 ラテン語の【動】はL.sapio/ sapere「分別がある、味がわかる」です。分別が有って賢い人は味覚も優れていたのです。

 

 綴りは違いますが、sage「賢人、哲人」も同じ語源です。また、ラテン語L.sagio/ sagire「感覚が敏感である」があります。sagacious, sagacityの単語が英語で使われています。

 

出現頻度: やや低い

日本の学生が大学受験を目指す頃に学ぶ英単語です。

単語 接頭辞 意味 語源解説
 sage    賢人、哲人 ◇古仏sage「賢い」<- L.sapiens「賢い」<- L.sapere「知っている」  
 savor / savour(英)    味、風味、の味がする ◇仏語 savoir 知っている  
 savory / savoury(英)    風味のよい、塩味の  



出現頻度: とても低い

英米の高校生レベルの語彙です。このレベルになると語彙は 15,000 語を超えます。見慣れない複雑な英単語が増えますが、よく見てみると、意外と語源のイメージを応用できます。

単語 接頭辞 意味 語源解説
 Homo sapiens    ホモサピエンス、人類(学名) ◇L.homo(=人)+L.sapiens「知性がある」 <- L.sapere  
 insipid  in=not  (味、話が)おいしくない、味気ない ◇L.in+L.sapidusおいしい、風味がある  
 insipidity    味気無さ  
 sagacious    賢い、明敏な、機敏な ◇L.sagio/ sagire「感覚が敏感である」  
 sagacity    聡明、機敏  
 sapid    (食物など)味のある、風味のよい、(話、書物など)楽しめる、味わいのある ◇L.sapidus「おいしい」  
 sapient    知ったかぶりの ◇L.sapiens分別のある  
 sapience    知ったかぶり、知恵  
 sapor    味、風味、味覚 ◇L.sapor味、味覚、特色  
 saporific    風味を添える  
 saporous    風味のある ◇L.saporus味の良い  
 savant    学者、博学者、サボン ◇L.sapio/ sapere「分別がある」 -> F.savant「博学な」より