語源の広場

『英語耳』松澤喜好、『日本語と英語をつなぐ』すずきひろし、『Gogengo!』角掛拓未が送る、英語の語源をさまざまな切り口でお伝えするコンテンツです。

121 fruit「果物、利益、楽しみ」L.fructus

(14語) Fruit「フルーツ」の語源はラテン語のL.fructusです。L.fructusは「享受、果実、実、利益、楽しみ」などの広い意味を持っています。英語のfruitはもとは土からとれる農産物を意味していました。土からの恵みに対して、利益・楽しみ・享受の意味を与えました。

 frugalは「質素な、倹約的な」は果実をeconomical(効率的に)に使うイメージから来ています。
ラテン語の関連語に次の語が有ります。L.fruor/frui 利用する、楽しむ -> L.fructus「享受、果実、実、利益、楽しみ」、L.frux【名】果実、成果

出現頻度: 高い

日本の中学生が学ぶ英単語が多いです。

単語 接頭辞 意味 語源解説
 fruit    果実、フルーツ ◇L.fruor/frui 利用する、楽しむ -> L.fructus「享受、果実」 -> もともと野菜、果物を広く意味していた。  

 

出現頻度: やや低い

日本の学生が大学受験を目指す頃に学ぶ英単語です。

単語 接頭辞 意味 語源解説
 frugal    質素な、倹約な ◇ L.fructus「享受、果実、実、利益、楽しみ」にあるように、フルーツと楽しむことは意味がつながっていた。L.frux【名】果実、成果 -> L.frugalis 質素な。←倹約して使うイメージに流れて frugalが「質素」の意味になってきた。  
 fruitful    良く実を結ぶ、効果的な  
 fruity    果物の風味がある、フルーティーな  
 fruition    結実、(目標などの)達成、実のなり具合  



出現頻度: とても低い

英米の高校生レベルの語彙です。このレベルになると語彙は 15,000 語を超えます。見慣れない複雑な英単語が増えますが、よく見てみると、意外と語源のイメージを応用できます。

単語 接頭辞 意味 語源解説
 frugality    倹約、節約 ◇L.frugalitas 倹約、質素 -> 仏frugalité  
 frugally    節約的に、倹約的に  
 fructify    良く実らせる、(努力など)実を結ぶ、(土地を)肥やす  
 fructose    (化学)果糖、フルクトース  
 fruitcake    フルーツケーキ  
 fruiterer    果実商(主に英)、果物商  
 fruitfully    効果的に、実り良く  
 fruitless    むだな、実を結ばない  
 fruitlessly    無益に、むだに