語源の広場

『英語耳』松澤喜好、『日本語と英語をつなぐ』すずきひろし、『Gogengo!』角掛拓未が送る、英語の語源をさまざまな切り口でお伝えするコンテンツです。

67 corp「肉体、死体、具体的な形、全集」L.corpus

(17語) 株式会社 corporationの語源は、ラテン語L.corpusです。L.corpusには「肉体、死体、肉、具体的な形、全集」などの広範囲な意味があって、そこから派生語が出ています。

 「死体」からは corpse(人の死体)が刑事の言葉から良く出てきます。ちなみに動物の死体は carcassです。語源は仏語のcarsasse「(動物の)骸骨」です。

 「具体的な形」からは、株式会社 corporationができました。人々の活動を具体的に企業として表しています。

 「全集」からは、コンピュータのデータを集めた「コーパス」 corpusですね。いま話題のビッグ・データもデータの集大成なので、コーパスの一種です。



出現頻度: 中くらい

日本の高校生が学ぶ英単語が多いです。

単語 接頭辞 意味 語源解説
 corporation    法人(体をなしているものの意)、株式会社、社団法人 ◇LL.corporatus(形を与えた、具体化した) L.corporalis 体の  
 corporate    法人組織の、団体の、【名】大企業  
 Corp.    =corporation  
 incorporate  inにする  合体する、法人組織にする、株式会社にする ◇in(=into)  
 corps    軍団、(専門)部隊 ◇仏語 corpsの意味の一つ「軍隊」  
 corpse  inにする  (人の)死体 ◇仏語 corpsの意味の一つ「死体」から。(動物の死体は) carcass  



出現頻度: やや低い

日本の学生が大学受験を目指す頃に学ぶ英単語です。

単語 接頭辞 意味 語源解説
 corpus    (作家、題目、文書などの)集大成(コンピュータ処理) ◇L.corpus(体、死体)  
 corporal    ①肉体の、胴体の、②(軍団の)伍長、最下位の下士官  



出現頻度: とても低い

英米の高校生レベルの語彙です。このレベルになると語彙は 15,000 語を超えます。見慣れない複雑な英単語が増えますが、よく見てみると、意外と語源のイメージを応用できます。

単語 接頭辞 意味 語源解説
 corporeal    肉体的な、身体上の  
 incorporeal  in=not  無形の、実体がない  
 corpuscle / corpuscule    (生理)小体、(医)血球 ◇小さいL.corpusを表す L.corpusculum 小さな体、微粒子  
 corpuscular    (生理)小体の、微粒子の  
 incorporated  inにする  法人組織の、株式会社の  
 incorporation  inにする  編入、合併、会社、法人  
 corpulent    太った、肥満の ◇L.corpulentus 太った、肥満した (L.corpusが元)-lent(=…に満ちている)  
 corpulence    体格、肥満  
 corset    コルセット、(体形を整える) ◇古仏語 cors (体)の指小語より -> 仏語 corset ->英語に