語源の広場

『英語耳』松澤喜好、『日本語と英語をつなぐ』すずきひろし、『Gogengo!』角掛拓未が送る、英語の語源をさまざまな切り口でお伝えするコンテンツです。

58 city, civic「市民」L.civis

(15語) city、citizenの綴りは、L.civis=市民がフランス語を経て civi-> citi に変化した。Citizen「国民、市民」からはフランス革命を経て民主的になった市民のイメージがある。

王が支配していた時代の国民・市民は subjectと呼ぶ。

◇次のラテン語の多くが英語に使われているので以下の単語リストで確認してください。L.civis=市民、L.civilis=市民の、L.civicus=civic 市民に関する、L.civilitas 市民学、政治、L.civitas=citizenship

出現頻度: 高い

日本の中学生が学ぶ英単語が多いです。

単語 接頭辞 意味 語源解説
 city    市 ◇L.civis=市民  
 citizen    国民、市民、住民 ◇L.civis(=citizen)、L.civitas(=state)  
 civil    市民の ◇L.civilis=市民の  



出現頻度: 中くらい

日本の高校生が学ぶ英単語が多いです。

単語 接頭辞 意味 語源解説
 The City    ロンドン市部(金融の中心街)  
 civic    市の、都市の、市民の  
 civilian    一般人(軍人、公務員以外)、一般市民、文民  
 civilization    文明、文化 ◇中世ラテン語 civilizatio  



出現頻度: やや低い

日本の学生が大学受験を目指す頃に学ぶ英単語です。

単語 接頭辞 意味 語源解説
 citizenship    市民権、公民権、国籍  
 city hall    市役所、市庁舎  
 civilize / civilise    文明化する ◇L.civilis=市民の -> 仏語 civiliser 垢ぬけ(洗練)させる、文明化する  
 civilized / civilised    文明化された、洗練された  



出現頻度: とても低い

英米の高校生レベルの語彙です。このレベルになると語彙は 15,000 語を超えます。見慣れない複雑な英単語が増えますが、よく見てみると、意外と語源のイメージを応用できます。

単語 接頭辞 意味 語源解説
 citizenry    (文)庶民、一般市民  
 civics    市政学、市民の研究  
 civil-service    行政機関  
 civility    ていねい、丁重 ◇L.civilitas 政治 -> 慎重なふるまい -> 丁寧さ