語源の広場

『英語耳』松澤喜好、『日本語と英語をつなぐ』すずきひろし、『Gogengo!』角掛拓未が送る、英語の語源をさまざまな切り口でお伝えするコンテンツです。

217 monit「忠告する、思い出させる」L.monere

(25語) monitor「モニター、監視装置」と monster「怪物」は語源 L.monereでつながっています。

 ラテン語 L.monitor「助言者、忠告者」現在のモニター「監視する」につながっています。見ているだけでなく、助言を与える意味です。動詞はL.monere【動】「忠告する、思い出させる、気づかせる」

 

 monster「モンスター、怪物」の語源は、L.monstrum「奇形の動物(または植物)、奇怪な現象、前兆」です。奇形の動植物は、不吉な前兆と思われています。L.monere【動】「忠告する、思い出させる、気づかせる」ために神が奇形の動物を現したのです。

 似ているラテン語は、L.monstrare【動】「示す、知らせる、警告する」です。demonnstratoin「デモンストレーション、デモ」の語源になっています。



出現頻度: 中くらい

日本の高校生が学ぶ英単語が多いです。

単語 接頭辞 意味 語源解説
 monitor    忠告者、モニター、監視装置(忠告する人・物) ◇L.monere「忠告する」  
 monster    怪物、モンスター ◇L.monere(=警告する)、monitorと同語源  
 monument    記念碑、遺物(思い出させる物) ◇L.monere「忠告する、to remind」  
 demonstrate  de 十分  表示する、…を証明する ◇de-(=fully) = 十分に示す  
 demonstration  de 十分  表示、証明、実演、デモンストレーション  
 demonstrator  de 十分  実演説明者、証明者、デモンストレーター、展示見本品  
 summon  sum 密か  (裁判所などに)召喚する、招集する、呼び寄せる ◇sub+mon L.monere「to remind」= ひそかに来るように忠告する  



出現頻度: やや低い

日本の学生が大学受験を目指す頃に学ぶ英単語です。

単語 接頭辞 意味 語源解説
 monstrous    怪物のような、巨大な、途方もない、極悪非道の  
 monumental    記念碑の、堂々とした、不朽の  
 premonition  pre 予め  予告、事前警告 ◇L.praemonere「あらかじめ忠告する」  
 summons  sum 密かに  呼び出し、召還(状)  



出現頻度: とても低い

英米の高校生レベルの語彙です。このレベルになると語彙は 15,000 語を超えます。見慣れない複雑な英単語が増えますが、よく見てみると、意外と語源のイメージを応用できます。

単語 接頭辞 意味 語源解説
 admonish  ad に  勧告する、警告する ◇ad(=to) = 忠告する ◇L.admonere「気づかせる、忠告する」 ad=に+L.monere「忠告する」  
 admonition  ad に  勧告、忠告  
 admonitor  ad に  勧告者、忠告者  
 monition    警告、忠告、訓戒(忠告すること)  
 monstrosity    巨大な物、奇形な物、奇怪  
 monstrously    法外に、ひどく、怪物のように  
 premonitory  pre 予め  予告の、警告の、前兆の  
 demonstrable  de 十分  照明できる、明白な  
 demonstrative  de 十分  【形】感情をはっきりあらわす、明確な、【名】(文法)指示詞  
 remonstrate  re 反対  抗議する、異議を唱える ◇re(=against) = 反対を示す  
 remonstration  re 反対  抗議、忠告、いさめ  
 remonstrative  re 反対  抗議の、忠告の  
 remonstrance  re 反対  抗議、忠告、反対の主張  
 remonstrant  re 反対  【名】抗議者、【形】抗議の、忠告の