語源の広場

『英語耳』松澤喜好、『日本語と英語をつなぐ』すずきひろし、『Gogengo!』角掛拓未が送る、英語の語源をさまざまな切り口でお伝えするコンテンツです。

232 innocent/nocent「悪さなどしない」L.nocere

(8語) ラテン語 L.noceo/ nocere「傷つける、悪さをする」を否定した単語が innocent「無邪気な、無罪の」です。「傷つけることや、悪さをしていない」と言う意味です。

 「悪さをする」に関連するラテン語は、以下の様な語です。英語にあまり綴りを変えずに入っています。L.nocens「有害な、有罪の」 L.noxia「悪事、損害」、L.noxiosus【形】「罪を犯した、有害な」、L.noxius「犯罪人」、L.nex「殺人」



出現頻度: 中くらい

日本の高校生が学ぶ英単語が多いです。

単語 接頭辞 意味 語源解説
 innocent  in=not  無垢な、無罪の、無邪気な ◇L.innocens「罪のない」in=not+L.nocere「悪さをする」  
 innocence  in=not  無垢、無罪、天真らんまん  



出現頻度: やや低い

日本の学生が大学受験を目指す頃に学ぶ英単語です。

単語 接頭辞 意味 語源解説
 innocuous  in=not  無害の、無毒の、あたりさわりのない、可でも不可でもない ◇L.innoxius「罪のない、無害の」  
 obnoxious  ob-に向けて  不快な、いやな、好ましくない ◇L.obnoxius「悪事に手を染めている、危険にさらされた」L.ob+noxius(害、傷)  



出現頻度: とても低い

英米の高校生レベルの語彙です。このレベルになると語彙は 15,000 語を超えます。見慣れない複雑な英単語が増えますが、よく見てみると、意外と語源のイメージを応用できます。

単語 接頭辞 意味 語源解説
 innocently  in=not  無邪気に  
 noxious    (道徳的に)有害な、有毒な、不健全な ◇L.noxia「損害、悪事」  
 nocent    有害な、(古)有罪の  
 nocuous    有害な