語源の広場

『英語耳』松澤喜好、『日本語と英語をつなぐ』すずきひろし、『Gogengo!』角掛拓未が送る、英語の語源をさまざまな切り口でお伝えするコンテンツです。

250 par「equal 等しい」L.par

(23語) ゴルフのpar「パー」は規定打数と同じ打数で入れることです。「同じ」と言う意味の綴りが同じラテン語L.parが語源です。

 ラテン語L.parの意味の基本は =equalですが、次のようにいろいろな意味があります。【形】1等しい、同等の、2【名】対等の者、仲間、3一組、夫婦

 L.parから派生した代表的な英単語が compareです。com+L.parを組み合わせると、「一緒に同じ」となります。同じような物を一緒に並べて、比べて、選別することです。

 L.comparo/ comparare 比較する、同列に置く L.compaは「 同等、mate 同僚」の意味です。

 ペア pairの語源もL.parです。仏語を経て、綴りが変わり、 pairとなっています。

出現頻度: 高い

日本の中学生が学ぶ英単語が多いです。

単語 接頭辞 意味 語源解説
 pair    ひと組、ペア(同種のもの2つ)、一対にする ◇L.par(=equal) -> 古仏 paireから、仏 paire  
 compare  com 一緒  比較する ◇L.comparo/ comparare 比較する、同列に置く L.compa 同等、mate 同僚com(=together)+L.par(=equal)  



出現頻度: 中くらい

日本の高校生が学ぶ英単語が多いです。

単語 接頭辞 意味 語源解説
 peer    同等の人、同輩、仲間(同じ位の者)、貴族、上院議員、【動】じっと見る、凝視する  
 par    標準、平均、同等、(ゴルフ)基準打数 ◇L.par(=equal)  
 comparison  com 一緒  比較 ◇com(=together)+L.par(=equal)+ison名詞語尾  
 comparable  com 一緒  匹敵する、比較できる  
 comparative  com 一緒  比較上の、相対的な  
 umpire  um=not  アンパイア、審判員、仲裁者 ◇L.par(=equal) -> 古仏 nonper から綴りが変化、「同等ではない立場の人、第三者」  



出現頻度: やや低い

日本の学生が大学受験を目指す頃に学ぶ英単語です。

単語 接頭辞 意味 語源解説
 disparate  dis=not  【形】異なっている、共通性が無い  
 disparity  dis=not  不一致、不同、不等、差異 ◇dis(=apart)  
 parity    同等、等位、等価 ◇L.par(=equal)  
 pairing    ペアにすること、対にすること  
 peerage    (集合的)貴族、貴族階級  



出現頻度: とても低い

英米の高校生レベルの語彙です。このレベルになると語彙は 15,000 語を超えます。見慣れない複雑な英単語が増えますが、よく見てみると、意外と語源のイメージを応用できます。

単語 接頭辞 意味 語源解説
 comparatively    比較的に、わりあいに  
 incomparable  in= not  【形】比較できない、比類のない、無比の  
 incomparably  in= not  比較できないほどの  
 disparage  dis=not  …をけなす、悪く言う、品位をおとしめる ◇dis+par=L.par(=equal) = 等しい地位から落とす  
 disparagement  dis=not  悪い評判、非難、汚名  
 disparaging  dis=not  【形】けなす、見くびった  
 disparagingly  dis=not  けなして、軽蔑して  
 peeress    貴族の婦人  
 peerless    無比の、無双の、絶世の(同じ物が二つと無い)  
 paragenesis    (地質)共生(2種以上の鉱物が伴って算出すること)