語源の広場

『英語耳』松澤喜好、『日本語と英語をつなぐ』すずきひろし、『Gogengo!』角掛拓未が送る、英語の語源をさまざまな切り口でお伝えするコンテンツです。

324 serve「世話をする」L.servare

(50語) サービス業の service「サービス、奉仕」の語源はL.servus「奴隷の」です。ローマ時代の奴隷制度の時代に奴隷がしていた作業が serviceだったのですね。

 

関連している2つのラテン語動詞です。英語では、どちらも-serveの綴りなので、混じりあっています。似ているので、ひとかたまりにして覚えると良いと思います。

(1)L.servo/servare「世話をする、監視する =to keep保つ, to watch over見守る、 observe観察する 監視する、 protect守る, preserve保存する, save救う, retain保持する」


(2)L.servio/servire「奉公するto be a servant 、服従するto be subject to、従属する、骨折る to serve、奴隷であるto be a servant」

出現頻度: 高い

日本の中学生が学ぶ英単語が多いです。

単語 接頭辞 意味 語源解説
 service  

 サービス、奉仕 ◇L.servus「奴隷の」

 
 reserve  re-後ろに  予約する、とっておく、予備 ◇re(=back) + L.servare保つ = あとにとっておく、出さない  
 conservative  con共に  保守的な、保守主義の ◇con共に+L.servare保存する= いっしょに保つ  



出現頻度: 中くらい

日本の高校生が学ぶ英単語が多いです。

単語 接頭辞 意味 語源解説
 conservation  

 (自然・資源の)保護、保全、保存 ◇con(共に) +L.servare= いっしょに保つ

 
 deserve    に値する、受ける価値がある ◇de(=fully 強め) +serve「役立つ、奉仕する」= 完全につくす、十分に尽くすに値する  
 desert 1    【名】砂漠、【形】不毛の L.desertus「見捨てられた」。L.desero/desere見捨てる、脱走する、de=not +Lsero/serere結合する、種をまく  
 desert 2    功績、価値 ◇deserveの名詞形、賞罰を受ける価値があること。  
 dessert  des=off  デザート ◇F.desservir 食卓の後片付けをする。des(=off) = 食事で給仕する最後のコース。F.dessert  
 observe  ob-に  観察する、守る、「仕えるために注意深く」 ◇L.servare保存する、ob-(=to) = 目の前に保つ、見守る  
 observer  ob-に

 観察者、オブザーバー

 
 preserve    保存する、(危害から)保護する、 ◇pre-(=before) + L.servare保つ= 前もって保つ  
 reserved    保留した、控え目の(自己を出さない)  
 reservation    予約、リザベーション、保留、条件  
 reservoir    貯水池、貯蔵所 ◇-oir=ory(=場所)  
 sergeant    軍曹、警部(仕える者)、巡査部長(米:captainの下、partolmanの上) ◇L.servire F.sergent  
 servant    使用人、召し使い、サーバント  
 serviceman    修理員、サービスマン、軍人  



出現頻度: やや低い

日本の学生が大学受験を目指す頃に学ぶ英単語です。

単語 接頭辞 意味 語源解説
 conserve    保存する ◇con(=together) +L.servare= いっしょに保つ  
 conservatism    保守主義  
 conservatory    温室、音楽学校 ◇(仏)conservatoire ◇-ory(=場所[保存する場所])  
 deserving    …に値する  
 deserter    逃亡者、脱走者、職場放棄者  
 observatory    観測所、気象台  
 observance    (規則・義務を)守ること、遵守、儀式の(執行)  
 preservation    保存、予防、貯蔵  
 preservative    保存の、防腐剤、予防薬  
 reservist    予備兵、在郷軍人  
 server    給仕する人、サーブする人(テニス)  
 serving    給仕、飲食物をよそうこと、  
 subservient    【形】卑屈な、へつらう、言いなりになる  



出現頻度: とても低い

英米の高校生レベルの語彙です。このレベルになると語彙は 15,000 語を超えます。見慣れない複雑な英単語が増えますが、よく見てみると、意外と語源のイメージを応用できます。

単語 接頭辞 意味 語源解説
 conservatoire    国立音楽(演劇)芸術学校  
 conservator    保存者、保護者、(博物館などの)管理者  
 deservedly    当然(の報い)正当に  
 desertion    放棄、捨てること、捨て去ること  
 desertification    砂漠化  
 dessertspoon    デザートスプーン(teaspoonとtablespoonの中間の大きさ)  
 dessertspoonful    デザートスプーン一杯(の量)  
 disservice    迷惑、損害  
 disserve    あだをする、悪く報いる ◇dis-(=apart) = 奉仕から離れる  
 observant    観察力が鋭い  
 observational    観察の、観測の  
 observable    観察できる、注目すべき  
 observability    観測の可能性、可観測性  
 preserver    保存者、保護者  
 serf    農奴(中世の土地に付属した農民)、奴隷  
 serfdom    濃奴の身分  
 serviceable    使える、役に立つ、(まだ)動作する  
 servile    奴隷の、卑劣な、いやしい(仕える) ◇L.servus「奴隷身分の」  
 servility    奴隷状態、追従(ついしょう)、盲従  
 servitude    苦役、服役、奴隷的状態  
 subserve    手段として役立つ、資する ◇sub-(=under) = 下にあって仕える