語源の広場

『英語耳』松澤喜好、『日本語と英語をつなぐ』すずきひろし、『Gogengo!』角掛拓未が送る、英語の語源をさまざまな切り口でお伝えするコンテンツです。

383 uti-, use「使用する」L.utor

  (29語) L.utor【動】「使用する、利用する」、 Lutilis 【形】 L.utilitas【名】
 use(使う、使用)という基本的な英単語は、ラテン語L.utorが語源です。その完了形がL.ususです。活用形は、utor/ uti/ usus sum

 

 名詞としてL.usus【名】「使用、利用」がuse, useful, usualとして英語で使われています。
usual「いつもの」は(いつも)使用している意味です。
 abuse「乱用する、悪用する」の語源Labutor【動】、abusus【名】は全部使い切る、浪費する意味で、良い意味でも悪い意味でも使われていました。英語ではおもに悪い意味で使われています。
peruse「精読する」の語源は、L.perutilis(非常に有用な)という一般的な意味です。per-(通して、完全に)の接頭辞が付いて英語では「精読」の意味で使われています。
L.utensilia (日用品)からはutensil「台所用品」、L.utilitas (役立つこと)からはutilityが英語で使われています。

 

出現頻度: とても高い

日本の中学生や高校一、二年生が学ぶ英単語が多いです。ありがとうございます

 

単語 接頭辞 意味 語源解説
 use    使用する、利用する、利用、用途、必要  
 useful    有益な、役に立つ  
 usual    いつもの(いつも使用する)、通例の  L.usitatus【形】いつもの
 usually   ふつうは、ふだんは  
 abuse  ab- 外れて  乱用する、悪用する ◇使い切る、外れた使い方をする L.abusus 使い切り、浪費

 



出現頻度: 高い

日本の高校二、三年生が学ぶ英単語が多いです。

 

単語 接頭辞 意味 語源解説
 unusual  un=not  異常な、普通でない  



 



出現頻度: ふつう

日本の学生が大学受験を目指す頃に学ぶ英単語です。

単語 接頭辞 意味 語源解説
 utility    実用品、有用、効用  L.utilitas 役立つこと
 utilize    利用する、活用する  
 useless    無用な、役に立たない  
 unusually  un=not  異常に、いつになく、並外れて  

 

>出現頻度: 低い

日本の大学生や社会人が必要な時期に習う英単語です。

 

単語 接頭辞 意味 語源解説
 usage    使用、慣例  
 usefully    有効に  
 usefulness    役に立つこと、有用性  
 uselessly    無用に、無駄に  
 uselessness    無用、無駄  
 usurp    横領する、強奪する(使用して奪う) ◇L.usurpare=L.usu使う+rapere つかみ取る  L.usurpare
 abusive  ab-外れて  乱用の、口ぎたない  
 abuser  ab-外れて  虐待者、乱用者  
 utensil    台所用品、家庭用品(日常使用するもの)  L.utensilia 日用品
 utilitarian    功利主義者、功利主義の  
 utilization    利用、利用すること  

 

 

出現頻度: とても低い

英米の高校生レベルの語彙です。このレベルになると語彙は 15,000 語を超えます。見慣れない複雑な英単語が増えますが、よく見てみると、意外と語源のイメージを応用できます。

単語 接頭辞 意味 語源解説
 peruse  per-通して、全く  通読する、精読する ◇per-通して、本を読み通す  L.perutilis 非常に有用な
 perusal  per-通して、全く  通読、精読、吟味  L.perutilis 非常に有用
 usance    (金融)手形満期までの期間、(富から生じる(利益・利子)  
 usurper    横領者、強奪者

 L.usurpare つかみ取る

 usurpation    横領、強奪、侵害  L.usurpare
 usury    高利貸、金貸業(金の使用料) → 高利  
 usurer    高利貸、金貸業者  
 usurious    高利の、高利貸の  

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