語源の広場

『英語耳』松澤喜好、『日本語と英語をつなぐ』すずきひろし、『Gogengo!』角掛拓未が送る、英語の語源をさまざまな切り口でお伝えするコンテンツです。

183 lude, lusi, luci 「遊ぶ、演奏する」 L.ludere

lude, lusi, luci

(29語) ラテン語L.ludere 「遊ぶ、ふざける、演じる」が語源の派生語です。遊ぶというよりも、人をあざける、ばかばかしいふるまいをする(演じる)イメージです。

イリュージョンillusionにはマジシャンが人を消してしまうマジックのイメージがあります。もとのラテン語は人の勘違いに対してバカにするイメージです。

音楽のプレリュード prelude は本番の演奏の前に(pre-前)演奏する軽快で滑稽な味がある演奏です。

英語はplayが一般に使われているので、L.ludereの派生語は比較的にマイナーな位置にいます。

 

 

出現頻度: ふつう

日本の学生が大学受験を目指す頃に学ぶ英単語です。

単語 接頭辞 意味 語源解説
 illusion  il (の上)に  錯覚、幻想、誤解、イリュージョン ◇…の上にたわむれる  L.illudere バカにする
L.illisio からか、皮肉

出現頻度: 低い

日本の大学生や社会人が必要な時期に習う英単語です。

単語 接頭辞 意味 語源解説
 allude  al に触れ  ほのめかす、それとなく言う ◇(人に触れ遊びながら)言う  L.alludere からかう、ふざける
 allusion  al に触れ  ほのめかし、それとなく言及  alludeの名詞形
 collusion  col 共に  共謀、なれあい  colludeの名詞形
 delusion  de 離れて  妄想、惑わし、迷い  
 elude  e 外へ  よける ◇身をかわして避ける(たわむれて外に出る)  L.eludere 回避する、ばかにする
 elusive  e 外へ  たくみに逃げをうつ(議論など)、逃避する  elude「回避する」参照
 hallucination    幻覚、(無いのにあると思うこと)  
 disillusion  dis=not  迷い(夢)からさますこと、正気に返らせる  
 disillusioned  dis=not  (形)幻滅した、がっかりした  
 interlude  inter 間  芝居の幕間(あい)、間奏曲  
 ludicrous    ばかばかしい、(舞台で演じるような)こっけいな  L.ludicrus 遊びの、悪ふざけの、芝居の
 prolusion  pro 前に  前座、序幕、序説、(本番前に)演奏する  L.prolusio 下稽古、練習



出現頻度: とても低い

英米の高校生レベルの語彙です。このレベルになると語彙は 15,000 語を超えます。見慣れない複雑な英単語が増えますが、よく見てみると、意外と語源のイメージを応用できます。

単語 接頭辞 意味 語源解説
 allusive  al に触れ  暗示的な、隠喩(いんゆ)の(多い)  alludeの形容詞形
 collude  col 共に  共謀する、ひそかに結託する  L.colludere 一緒に遊ぶ
 collusive  col 共に  共謀の、馴れ合いの  collude参照
 delude  de 離れて  欺く、だます ◇からかって真実から離す

 L.deludere だます、演技を終える

 elusion  e 外へ  回避、言い抜け(=evasion)  elude参照
 hallucinate    幻覚を起こす  L.(h)alucinor ぼんやりする
 hallucinatory    (形)幻覚を起こす  
 hallucinant    幻覚剤(アルコール、アミンなど)、(形)幻覚を引き起こす  
 hallucinogen    幻覚剤  
 hallucinogenic    幻覚を起こさせる、幻覚剤の  
 illusionary  il (の上)に  = illusional、錯覚の  
 illusionist  il (の上)に  奇術師、手品師、妄想に取りつかれた人  
 illusory  il (の上)に  人を欺く、錯覚を起こさせる=illusive  
 ludicrously    こっけいに、ばかげて  
 prelude  pre 前に 序幕、前奏曲プレリュード, 前触れ  L.praeludere 序幕を演じる
 postlude  post 後に  後奏(曲)、(極の最後の部分)  (1851 preludeつながりで出来た)