語源の広場

『英語耳』松澤喜好、『日本語と英語をつなぐ』すずきひろし、『Gogengo!』角掛拓未が送る、英語の語源をさまざまな切り口でお伝えするコンテンツです。

語源の窓 第15話

接頭辞と語根の巨大なマトリクス表

 

 以前には、スペースアルクに「語源辞典」を提供していました。「語源辞典」は600の語源から派生した約10,000語を登録していました。これらの単語の多くには接頭辞が付いているので、接頭辞と語根を組み合わせたの組み合わせた2次元の表ができます。下にあるのはその2次元の表の例です。


 この第15話では知っていると便利な接頭辞16個を使って右に語根を並べました。語根は代表的な5個を使っています。語根によってはマトリクスのますめに英単語が存在しない語があります。語源のTOP50ぐらいまではこれらの接頭辞と組み合わせた英単語が数多く存在します。語源のTOP100ぐらいになると、派生語が少なくなるので、表が空間だらけになっていきます。

 つまり、理論上は16x600=9600単語のエクセル表ができるわけですが、600番目の語源からはたったひとつの英単語しか得られないので、表がすき間だらけになります。

 接頭辞に関して私は昔、もっと数が多いと考えていましたが代表的なものは意外に少なくこの16個ほどで足ります。今回の「語源の広場」ではさらに接頭辞の数を絞って11個を「黄金の接頭辞」で提案しています。接頭辞はこの11個を確実に覚えていただくと良いでしょう。

 この16個または「黄金の接頭辞」の11個の接頭辞を使った表をぜひ、あなたにもエクセルなどを使って作って欲しいのです。非常に優れたマイ単語帳が出来ますよ。今回は例題として語根5つの表を作りました。「黄金の語根」のTOP10を使って始めてはいかがでしょうか?


 接頭辞はこの16個で固定して語源TOP30(注1)の派生語を調べれば、16x30の表があなたにも作れます。表の半分程度には単語が埋まるはずです。単語の意味は、ご自分か記憶しやすい言い回しで記入すると、マイ単語帳ができます。

 このように2次元表にした単語帳が特に優れているのは、英単語の中の語根が瞬時に見つかるようになり、英単語が長期記憶に残りやすくなり、また新しい単語の意味が類推できるようになるところです。

 辞書では単語の並びがアルファベット順なので、このように英単語の構成の仕組み・体系が見えてきません。おおげさに言えば、あなたが漢字の偏・つくり・冠の体系を把握しているように、ラテン語から派生した英単語の体系を把握できるようになります。

 

16のラテン語接頭辞と5つの語根(ラテン語動詞)のマトリクス表(例)

 

語幹(ラテン語)

 

接頭辞

stare(立つ),sistere(立つ)

facere(作る)

capere(捕える)

venire(来る)

ferre(運ぶ)

ad-, af-(…に向けて)

assist(…を助ける)

affect(影響する)

accept(受け入れる)

adventure(冒険)

afferent((医)神経が中枢に向かった)

circum-(…のまわりに)

circumstance(環境)

 

 

circumvent(策略する。陥れる)

circumference(円周)

com-, con-(共に)

consist(…から成る)

confection(砂糖菓子)

conceive(思いつく)

convenient(便利な)

conference(会議)

de-, di-(…から離れて)

destiny(運命)

defect(欠点)

deceive(だます)

 

defer(譲る)

dis-(分離、反対)

distance(距離)

difficult(難しい)

 

 

differ(相違する)

e-, ex-(…から外へ)

exist(存在する)

effect(効果)

except(を除いて)

event(出来事)

efferent((医)遠心性神経(の))

in-(中に)

instant(すぐの)

infect(感染する)

inception(始まり)

invent(発明する)

infer(推論する)

inter-(…の間に)

interstate(州と州の間の)

 

intercept(さえぎる)

intervene(干渉する)

interfere(干渉する)

ob-, of-(‥に向かって、‥に反対して)

obstacle(障害物)

office(オフィス)

occupy(占拠する)

-

 

offer(申し出る)

per-, pur-(完全な)

persisit(固執する、持続する)

perfect(完全な)

perceive(知覚する、気づく)

 

 

pre-(‥の前に、あらかじめ)

preexist(前から存在する)

prefecture(県)

precept(教訓)

prevent(未然に防ぐ)

prefer(の方を好む)

pro-(前方へ、賛成)

prostitute(売春婦)

profit(利益)

 

provenance(起源)

proffer(提供する)

re-(再び、戻って)

restore(復元する)

refectory(僧院の食堂)

receive(受け取る)

revenue(歳入)

refere(参照する)

sub-, suf-, sus(‥の下に)

substance(物質、実体)

sufficient(十分な)

susceptible(感受性の強い)

subvention(救済)

suffer(苦痛を受ける)

super-(上方に)

superstition(迷信)

superficial(表面的な)

 

supervene(付随して起こる)

 

trans-(横切って)

 

traffic(交通)

 

 

transfer(輸送する)

 

語源TOP30(注1)

僕の本の宣伝で恐縮ですが、『単語耳Lv.3』(表紙が金色)では、派生語の多いTOP30個の語源を紹介しています。

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松澤記