語源の広場

『英語耳』松澤喜好、『日本語と英語をつなぐ』すずきひろし、『Gogengo!』角掛拓未が送る、英語の語源をさまざまな切り口でお伝えするコンテンツです。

「英単語の語源図鑑」紹介と「第3回語源の広場セミナー」のお知らせ

「語源の広場」運営者のひとり、すずきひろしが共著した「英単語の語源図鑑」(かんき出版)が、7/23にはAmazon書籍総合で売り上げ1位にランクされるなど、お陰さまで好評です。語源を使った英単語学習のきっかけにしていただけるのではないかと思っています。

英単語の語源図鑑 f:id:gogen_wisdom:20180725154427j:plain

第3回語源の広場セミナー」を10月6日に開催します。この機会に、すずきからこの本の使い方の紹介などもさせていただこうと思います。

セミナー内容

1.『見えないものを表す言葉の語源を学んでみよう』ー 角掛拓未

2.『こうすれば英単語の意味が感じられるんじゃない?』ー すずきひろし

3.『英語の語彙習得戦略を作ろう』ー 松澤喜好

 

ご参加お待ちしています。お申し込みは「こくちーず」からお願いします。

 

 

210 minent/ eminent「突き出る」L.minere/ L.eminere

(10語) eminent「卓越した、(地位・身分の)高い」の語源は、L.emineo/ eminere「突出する、目立つ、優れている」です。これは e-=ex-外に、表に+L.minere「突き出る」に分解できます。

 L.mineo/minere「突き出る」にはL.mons「丘、山」のイメージ、つまり丘は突き出ている感覚があるようです。派生した単語は、以下のようにeminentに接頭辞がついています。

  eminent  「卓越した、(地位・身分の)高い」

  imminent  「(危険など)切迫した、差し迫る」

  pre-eminent 「すぐれた、抜群の」

  prominent  「突き出た、卓越した、顕著な」

 

出現頻度: 中くらい

日本の高校生が学ぶ英単語が多いです。

単語 接頭辞 意味 語源解説
 prominent    突き出た、卓越した、顕著な ◇L.prominere「前に突き出る、前かがみになる」。pro-(=forward) = 前方に突き出ている  
 imminent    (危険など)切迫した、焦眉の ◇L.imminer/ imminere「差し迫る、張りだす、おびやかす」 im-=in-(=upon、over) +L.eminere= 頭上に突き出ている  



出現頻度: やや低い

日本の学生が大学受験を目指す頃に学ぶ英単語です。

単語 接頭辞 意味 語源解説
 eminent    卓越した、(地位・身分の)高い、顕著な(外に突き出ている、頭角をあらわしている) ◇L.emineo/ eminere「突出する、目立つ、優れている」e=ex-(=out)  
 eminence    卓絶、高地、高位 ◇-ence(=名詞語尾)  
 eminently    大いに、著しく  
 pre-eminent    すぐれた、抜群の ◇L.praeminere「勝る、突き出ている」 L.praeあらかじめ+L.eminere突き出る  
 prominence    優位、抜群、目立つこと  



出現頻度: とても低い

英米の高校生レベルの語彙です。このレベルになると語彙は 15,000 語を超えます。見慣れない複雑な英単語が増えますが、よく見てみると、意外と語源のイメージを応用できます。

単語 接頭辞 意味 語源解説
 imminence    切迫、危急  
 pre-eminence    優位、抜群、目立つこと  
 pre-eminently    特にすぐれて  



 

『第 2 回 語源の広場セミナー』をひらきます

このたび『語源の広場』を運営する松澤喜好、すずきひろし、角掛拓未の 3 名でセミナーをひらくことになりました。英単語をたのしく学ぶ方法を語源の観点でお話します。内容は次のとおりです。

 

『歴史からわかる英語の成り立ち;単語を語源でつなぐ』ー すずきひろし

見た目や意味が似ている英単語がたくさんあります。なぜそうなっているのかを歴史を通じて知って、興味を持って学べるようにしましょう。楽しく効率的に英単語が覚えられます。 著書やブログで使っている自作のイラストを使って説明します。第1回よりもココの内容を増やします。
『語源学習サイト「語源の広場」メイキング・ストーリー』ー 松澤喜好

英単語の習得は何年もかかる長期戦です。いすれは1万語そして2万語、その攻略のための語彙構成例を考えます。英単語は元の英語(ゲルマン語系)とラテン語系単語の二重構造です。ゲルマン語系に対しては文法の攻略法を考えます。ラテン語系の単語に対しては、個人的に語源(ラテン語系)に出会ってからの50年を振り返ります。語源学習サイト「語源の広場」をなぜ作ったか、「黄金の語根」のページの構成、使い方、裏にあるデータを語ります。英単語の全体像をながめながら、ご自分の英語学習を見直す機会にしていただければ幸いです。発表に使用するスライドのプリントは当日配布します。
『カタカナだらけのパソコン用語を語源で学んでみよう』ー 角掛拓未

スマートフォン。ウェブサイト。システム。パソコン用語はカタカナが多くてとっつきにくいです。そこでカタカナを英単語に戻して語源を追うと意味が見えてきます。変化する前の形を知ることで失われた情報を得られます。手がかりになる情報が増えると物事を考える幅が広がります。

 

発表後は 40 分ほど質問や感想を話し合う時間をもうけています。ぜひ普段の疑問をお持ち込みください。セミナーへのご参加は『こくちーず』よりお申込みいただけます。

 

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当テミナーがみなさまの学習にお役に立ちましたら嬉しく思います。引き続きよろしくお願いいたします。